② ギャラリートーク「チェン・ウェイチェン×古賀義浩」(ArtistCafeFukuoka) | 脳神経内科看護師刺繍家・ナース刺繍のブログ

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看護師であり刺繍家である私がシビれた(最高の褒め言葉)アート、カルチャーについてつづります。

前回にひきつづき

チェン・ウェイチェンさんと古賀義浩さんのギャラリートークのおはなしです。





つぎに、古賀さんの作品です。

コンクリートでてきた円柱状のものですが、完全な円ではなく半円です。(左の作品)

これはパンフレットにあった、作品制作のための線画です。



円柱の型を寝かせて粉末のコンクリートをかけ、水をかけて固める…をくりかえしたそうで、筒の中は流れたコンクリート水がぐにゃぐにゃと波うっています。


全貌はおみせできないのですが…

(ぜひ実物をみていただきたいところです!)

くりかえすことでできた「時間の堆積」をかんじます。

とても美しい隆起がわたしをいざなっているようで、コンクリートはある意味生き物なのかもしれないと感じました。


ドローイングの右側にある作品も一緒に展示してありますが、古賀さんのお祖母様のことばを3Dペン(描いたものがそのまま固まる)でえがいた文字をクリスマスツリーのようなかたちにくみたててあります。



(↑こちらもイメージ線画ですが)


「防空壕は壊滅的に破壊されていたそうだ」


という文もみられ、お祖母様が語られた歴史のようです。


学芸員さんの質問に

「ふたつの作品の関係は?立ち位置は?」

とありました。


古賀さんのおうちはコンクリートをあつかうお仕事をされていたそうで、円筒は作業所の給水塔がモチーフだそうです。

家や家族をあらわすものなのかもしれません。


言葉のオブジェはお祖母様の存在を表しているもので、微妙にはなれたところに設置してあります。


お祖母様はおうちを支えてきた存在ではあるけれど、家業、家族のかげにあるものではなく独立したひとつの存在であることをあらわしたい…

と古賀さんは語られていました。

(聞きまちがえていたらすみません)


このふたつの作品に大変多くのストーリーがこめられているようです。

ただ、古賀さんはあまりご自身が説明しすぎないことを望まれていたようでした。



チェンさんと古賀さんの作品は同じ部屋に展示されていますが、別人のつくった異素材のものがとけあった空間です。


プラスチック、金属、コンクリート…

無機質な素材なのですが冷たくかんじないのはひとの生活や歴史がこめられているからなのでしょう。


そしてそれがわたしの愛する福岡から芽をだし、枝葉をつけたものだからでしょう。


自分の暮らすまちでおこったアート イン レジデンスをみることの意義をかんじました。


みなさんがお住まいの自治体やアート施設でもとりくまれているかもしれません。

ぜひその成果展があればご覧になってみてください。




おふたりの展示は2箇所

・福岡アジア美術館

・Artist Cafe Fukuoka(福岡市中央区)

で2023年12月17日まで開催されています。


https://faam.city.fukuoka.lg.jp/exhibition/19602/



今日も最後までおつきあいくださりありがとうございます。


筆者の「ナース刺繍」は現役看護師のわたしが人体、医療をテーマに刺繍作品をつくっています。


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