「 医療器具 」
と聞いてどのようなイメージをおもちですか?
怖い
無機質
緊張感
そう思われる方もおられるでしょうね。
以前から思っていたのですが、人間の体に使ったり、人の命を支えるためのものだったりするのに、どうして「不気味さ」を感じてしまうのでしょう。
わたしは医療器具をモチーフにした刺繍小物を作っていますので、今後のものづくりのためにもぜひ考えたいことだったのです。
医療器具といえば手術台にならんだたくさんのハサミなどを想像される方もおられるでしょうね。
そうなると、どうしても
「血にまみれた、死と背中合わせの場面」
を思い出してしまいます。
古い手術室を題材にしたお化け屋敷などもありますしね(笑)。
「生」のためにある一方、「死」もある医療の現場ですから、おどろおどろしいストーリーを作るときの舞台に用いられることは理解できます。
また、人間の臓器にふれたり、血液、体液が付着するものですから感染防止のためにも洗浄、滅菌できなくてはなりません。
すると金属やガラスなどという、熱や薬液、ガスに強いものが材質として用いられることになります。
そうなるとどうしても無機質な雰囲気を持ってしまうのでしょう。
かわいらしい花柄の塗装をいれたって高圧蒸気滅菌では剥がれて不純物になりますし、彫ってあればそこに有機物がたまってしまいます。
必要性からくる無機質、無骨な雰囲気なのですね。
ただ、最近では医療器具をインテリアとして使われている方もおられるそうです。
消毒ビン↑を小物入れとして置かれたり、膿盆をトレイにされたり…
すっきりとしたデザインがおしゃれでユニークな空間をつくるのだな、と思いました。
また、医療器具マニアの方もおられるそうで、古くから形の変わらない器具たちが魅力的に見えるなもわかるな、とおもいます。
看護師のわたしはたくさんの医療器具、医療機器にかこまれて仕事をしています。
かれらは「同志」と言える存在です。
仕事が無事にすすむように「たのむよ」とお願いをすることもあります(笑)。
愛情をかんじるからこそ、刺繍のモチーフに選ばせてもらっています。
きょうも読んでくださってありがとうございました。
「ナース刺繍」は日々の勤務のなかで思ったことや気づいたことをつづらせていただいております。
そしてお話したとおり、刺繍作家としても活動しております。
販売もかねたギャラリーをクリーマさんに開設しておりますのでぜひ遊びにいらしてくださいね↓