さて今日は近鉄のスタフについて紹介したいと思います。

 

「スタフ」というのは…

運転士さんが持っている業務用の時刻表のことです。

「運転カード」や「スターフ」という表記も見られます。

乗務する列車の駅発着時間はもちろんのこと、運転するにあたっての注意事項なども事細かに記載されています(個体差あり)。

鉄道まつりとかで売られているようです。

 

「スタフ」は行路揃いにされて売られているものが大半のようです。

中には面白い運用をする列車も入っていたりなんかして。

 

今回は、2018年の鉄道まつりで購入したスタフを紹介していきます。

「平日ダイヤ富吉列車区108仕業」です。

1/10枚目 563列車 富吉→塩浜

右側に書かれている「108仕業」ってのが行路の番号です。

要は乗務員さんの流れ1つ1つに「仕業(しぎょう)」という番号が振ってあるものと思ってください。

右上の「1/10」は「全10行路中の1つ目」という意味です。

このスタフは「平日用」なので無いのですが、「土休日用」は一番上に赤い帯が印刷されます。

下には、次に乗務する列車が記載されています。

 

また、このスタフは「富吉列車区」のものです。他の列車区のスタフはまたデザインが違うので比べてみるのも面白いかもしれません。

 

ちなみにこのスタフは2016年改正のダイヤで使用されていたものです。

つまり、名古屋線の急行が「南が丘駅」「桃園駅」を通過する時代の最後の改正で、さらに阿倉川駅の待避線が使用されていた時代の最後のダイヤ改正のものということになります。

 

この「563列車」は、名古屋から出発する一番列車で名古屋から弥富まで先着します。

当時は伊勢中川駅到着後、名古屋行き普通(762列車)として折り返していました。

2/10枚目 6738列車 塩浜→四日市

塩浜から四日市への送り込み回送です。

下り津方面行きホームの塩浜駅1番線から逆進出発する旨が書かれています。

3/10枚目 6738列車 四日市→名古屋

さあ面白いのが来ました。四日市始発の名古屋行き急行(6738列車)です。

朝ラッシュにおける増発分として塩浜から送り込まれた先ほどの回送列車がそのまま四日市から客扱いされます。

 

名古屋線の急行は、基本名古屋寄りから「2+4」の6両編成で運転されるものがほとんどです。

しかしこの「6738列車」は名古屋線の急行で唯一「3+3」で運転される列車で、他の6両編成の急行と違いトイレは装備されていません。

撮影していてもなかなかにアクセントのある列車です。

名古屋駅では特急用ホームの4番線に入り、折り返しは富吉回送となります。

朝ラッシュには一般列車の本数が増え、近鉄名古屋駅の一般列車用ホームでは捌ききれないため平日ダイヤの8時台を中心に急行や準急が名古屋駅の特急用ホーム4番線に入る光景が見られます。

 

朝ラッシュの名古屋行き急行では

「6738列車(このスタフの列車)」「630列車」「6636列車」が、

朝ラッシュの名古屋行き準急では

「3722列車」

が名古屋駅4番線に入ります。

これらは全て折返し富吉行き回送となります。

 

また、このスタフには「アクラ(阿倉川駅)」の欄に「準」と書かれています。

これは阿倉川駅で準急を抜かすという意味ですが、現在では阿倉川駅の待避線がバリアフリー化工事のため撤去されており現在では見ることはできません。

 

4/10枚目 381列車 名古屋→富吉

先ほどの6738列車の折り返し回送です。

富吉では下りホーム2番線に入った後引上げ線の5番線に入り、折り返して上りホーム4番線に入る旨が記されています。

この「3+3」は富吉駅4番線で切り離され、それぞれ別の名古屋行き普通となって運用されます。

5/10枚目 884列車 富吉→名古屋

「3+3」で運用されてきた列車の名古屋側の3両がこの名古屋行き普通(884列車)となって先に発車します。

平日ダイヤ8時台の名古屋⇔富吉の普通列車は大増発されます。

6/10枚目 889列車 名古屋→富吉

先ほどの884列車は、名古屋に着いてから3分後に富吉行き普通(889列車)となってすぐに折り返します。

乗務員さんは、左下の「中休」を挟んで次の乗務に入ります。

7/10枚目 1380列車 富吉→名古屋

中休みを挟んだ乗務員さんはこの列車から再び乗務に就きます。

8/10枚目 064列車 名古屋→津

次に乗務するのは名阪甲特急の大阪難波行き(064列車)。

名古屋から津を44分で結びます。

津では大阪輸送統括部の乗務員と交代する旨が記されています。

停車駅の少ない「甲特急」は、「特」の周りの縁取りが丸になっていて罫線と通過駅の文字が緑になっているのが特徴です。

9/10枚目 0113列車 津→名古屋

次は主要駅停車型の「乙特急」で名古屋まで戻ります。

折返しは富吉回送です。

これにも現在は見られない「アクラ」の横に「回」の字があります。

「乙特急」の場合は「甲特急」と違い、「特」の周りの縁取りが四角であり罫線や通過駅も黒字です。

10/10枚目 453列車 名古屋→富吉

先ほどの0113列車の折り返し、富吉回送の453列車に乗務して終了となります。

「10/10(10行路中の10)」なので一番最後の乗務ということが分かります。

 

今回は富吉列車区のスタフを見てきました。

このスタフシリーズは今後もちょっとずつやっていきたいと思っておりますので、興味がありましたら見ていってくださると幸いです。