「言いたいことは我慢せずに伝えた方がいい」
「自分の本音をちゃんと伝えよう」
そう思って、相手に言いたいことを伝えたのに、なぜかスッキリしない。
それどころか、相手がわかってくれないと、さらにイライラしてしまう。
スッキリしない理由は、本音を伝えているつもりで、相手に怒りをぶつけているだけだから。
怒りの奥には、まだ自分でも気づいていない本当の気持ちがあります。
例えば、夫に何かを言われて腹が立ったとき。
「なんでそんなこと言うの!」
「もっと私の気持ちを考えてよ!」
「あなたが変わってよ!」
そんなふうに怒りが湧いてくる。
でも、不思議なことに、同じことを言われても、同じことをされても、まったく気にならない人もいるのです。
では、なぜ自分はこんなにもイライラするのか?
それは、目の前の出来事はきっかけに過ぎず、過去に感じた感情(体感)がよみがえっているからです。
例えば、小さい頃。
お母さんに自分の気持ちをわかってもらえなかった。
何を言っても聞いてもらえなかった。
本当はもっと甘えたかった。
あのとき、本当は寂しかった。
悲しかった。
怖かった。
でも、子どもの頃は、その気持ちに蓋をするしかなかった、、。
そして大人になった今。
誰かに自分の気持ちをわかってもらえなかったと感じたとき、あの頃と同じような感情(体感)が湧いてきます。
目の前の相手に怒っているつもりでも、本当は何十年も前に感じた寂しさや悲しさが、今も自分の中に残っているから。
だから、体感メソッドでは、相手に怒りをぶつけるのではなく、まず自分に矢印を向けて、身体で感じることを大切にしています。
一人になって、自分の身体に意識を向けてみる。
胸が熱い。
お腹がギューッとなる。
身体に力が入っている。
そんな怒りの感覚を十分に感じながら、口から「はぁーっ」と息を吐き出していく。
身体の中にある怒りのエネルギーを、外へ出してあげる。
すると、ふと、怒りの奥にあった気持ちが出てくることがあります。
「あぁ、私、本当は寂しかったんだ……」
「本当は怖かったんだ……」
「ずっとわかってほしかったんだ……」
そして、その体感も十分に感じていくと、あんなに腹が立っていたのに、少しずつ怒りが和らいでいき、
さっきまであんなに相手に言いたかったことも、不思議と言いたくなくなる。
相手は何も変わっていないのに。
本音とは、怒りの奥にある「本当はどう感じていたのか」という素直な気持ち。
「どうしてわかってくれないの!」
と怒りをぶつけることと、
「本当は寂しかったんだ」
と自分の気持ちに気づくことは、まったく違うのです。
あんなに相手にわかってほしかったのは、
本当は、自分自身にわかってほしかったから。
ずっと寂しかった自分。
ずっと怖かった自分。
本当は悲しかったのに、その気持ちにさえ気づいてあげられなかった自分。
そんな自分の気持ちに、何十年も経って、ようやく自分自身が気づいてあげられたとき、
もう誰かに必死になってわかってもらおうとしなくてもよくなる。
もし今、誰かにどうしてもわかってほしいことがあるなら。
その人に伝える前に、一度、自分の身体にある感覚を感じてみてください。
本当は、相手にわかってほしかったんじゃなくて、ずっと自分が、自分の気持ちに気づいてほしかっただけなのかもしれません。
そして、気づいたあとはお母さんに言えなかった小さい頃の自分を取り戻すように、相手に本音を伝えてみる。
本当は淋しかった。
本当は怖かった。
その言葉を言えたとき、身体はあたたかくなり、驚くほど緩まっていくのです✨
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