ラストです!
今回はイラスト一個もないけど、いつか書けたらいいと思います(希望
◎三日目
「意外と長いね」
「退出時間に間に合うか不安だな(inカラオケ)」
「それじゃあ朝6時に起きて、瓢箪くんを迎えに行く準備するよ」
「毎回朝早すぎじゃね? 」
「今日は雨は?」
「降ってる」
「じゃあ今日も雨合羽着て自転車漕ぐよ」
「眠そうな顔して瓢箪が待ってる」
「お年寄りって朝早いんじゃないっけ?」
「これだと16歳だって」
「あ。そっか。 とりあえず瓢箪くんを自転車の後ろに乗せて出発!」
「瓢箪もカッパ着てんのか?」
「いや、傘を後ろで差してるとかでいいんじゃないかな?」
「まーた叱られそうな事を(笑) なら、二人は駅に着いて自転車を降りる」
「あ、ふー君は電車通学だっけ。」
「電車乗った?」
「ちゃんと合羽は脱いで乗ったよ」
「なら【幸運】で振って」
「え?」
「失敗な。お前は自転車に鍵を掛け忘れた」
「∑なっ!!」
「帰りにもう一回【幸運】振って、失敗なら自転車は盗まれる」
「ひどい(´;ω;`)」
☆犬飼家
「金持ちって感じではないけど、そこそこ広い素朴な一軒家だぜ」
「っぽいねー。インターフォン押すよ」
「すぐふーちゃんが出てくるな。二人を家に上げて麦茶と茶菓子を出してくれる」
「じゃあ、本題に入ろうかな。『君は犬神筋については本当に全く聞き覚えない?』」
君の質問に対してふく子は悲しそうに首を振る。
彼女は全く聞き覚えのない事を伝えると、母を呼んでくると席を外した。
「本当に知らないみたいだね。
んー? もしかしてこの話って、ふー君目の前でしない方がいいのかな?」
「その辺は自分で考えて」
「うーん。だったらお母さんの話を聞いている間は、ふー君には退室願おうかな?
うん。せっかく瓢箪君を連れて来たわけだしね」
「まさに瓢箪の有効活用(笑)。OK、ならお母さんが来るぜ」
「まさかテッセン君あたりじゃないだろうね?」
「何その発想。だったら昼顔さん(先代)にするわ」
「似てないなぁ」
戸が空くとこんにちはと髪の長い女性が入ってくる。
そして、部屋にいる男子二人を見回する意味ありげにくすりと笑った。
後からふく子が入ってくると「変なこと言わないでね」と女性に向かって小さく言うのがわかるだろう。
「あるあるだよね!」
「じゃあ、瓢箪にふーちゃん頼むか?」
「お願いしよう」
「瓢箪がふーちゃんを連れて部屋を出るぜ。ふーちゃんはちょっと気になる素振りは見せるけど素直に出て行くな」
「そういえば父親はいないんだね」
「部屋で小説でも書いてんじゃね?」
「なるほど。 よし、早速。『犬神筋をご存知ありませんか?』」
女性、ふく子の母親は少し考えるようにすると、そういえばと呟く。
「昔、私の祖母。つまりふく子のひいおばあちゃんがそんな話をしていた気がするわ」
それは先祖代々に伝わる守り神の話で、女性にしか憑く事がないと言われている物だ。
「色々言い聞かされてはいたんだけど、小さい頃の事でよく覚えていないの。ただ一つだけ、ずっと私の心にあって、ふく子にも言い聞かせた言葉があるの」
彼女は君の目を真っ直ぐ見ると、胸に手を当てこう言った。
「『決して人を恨まない事。そうでないと悪い事が起こるから』」
「うわい。大体予想通り」
「ぶっちゃけ図書館行ったあとだと、真新しい情報ねぇよな」
「ある意味これで『ふく子』という人間の真髄はわかった気がするよ」
「さて、他に聞くことはあるか?」
「んー。大体出揃ったし、あとはお寺に行けばわかるんじゃないかな?とは思うよ」
「なら寺に向かうか?」
「今何時?」
「お前がやたら早く来るからまだ10時位」
「菊君の家には午後って約束だからまだあるね。お寺ってどの辺?」
「ふーちゃん家からなら近い。歩いて30分」
「近いかなぁ? まぁ一応お母さんにお礼言って、ふー君達にも声かけよう」
ふく子の部屋に来ると君は断りを入れて戸を開ける。
すると中にいた二人が慌てて俯いている。その頬はわずかに赤い。
「事後だね(確信)」
「事後とか言うなww」
「じゃあ二人に『ごゆっくり~』って言ってお寺に向かおう」
「放置かよwwww」
「バスってある?」
「あるんじゃね?10分くらいで着く奴」
「バスがいいな」
「【幸運】で降ってみ?」
「成功」
「安定してんなー。」
「70あるからね!」
「残念ながら最初に失敗してるからなお前」
☆万丈寺
「高台にあるお寺だな。階段が長い」
「もうへとへとだよね! 最終的に30分掛かってそうだよ!」
「あー…住職どうしよっかな」
「え? 朝顔君だろ?」
「え。」
「?」
「よしそうしよう! 丸眼鏡を掛けた坊さんがお前を迎えてくれるぜ!」
「……あ! そうかふー君の家!」
「そう。実はあそこの父親はテッセンだったのだ!」
「まさかの!? そんな所でフラグ回収しちゃうの!?」
君は今までの出来事を全て住職に話す。
すると彼は思案したあと奥に引っ込む。しばらくして戻ってくると古い箱を手に持ち戻ってくるだろう。
「今まで伝承事だと思っていたが、君の話を聞くとそうも言ってられないねぇ」
住職が蓋を開けると、中には御札が3枚とお経の様な文が書かれた和紙が出てくる。
「おぉ! アイテムだ」
「御札には五芒星の真ん中に炎が燃えているようなマークが着いてるな」
「何かありそうだね」
「【オカルト】で振る?」
「取ってないな…それって何かわかる?」
「何もわからない」
「あっ。そう」
「坊さんは御札を張ったあとに呪文を唱えるよう言ってるな」
「なら、お礼を言って菊君のところに向かおうか!」
「折角だから菊ちゃんが襲われるかダイス振るか」
「やめてー!」
「(コロコロッ)チッ じゃあどうする?」
「今本当に振った!? バスで駅まで行って電車に乗るよ!」
「忙しい奴だな。まぁ菊ちゃんの家は知ってるから13時までには着くぜ」
「よし」
「じゃあ【幸運】で振って」
「な、まさか菊君に何か…?」
「いや、自転車」
「あったねそんなの!! 失敗…orz」
「なら、自転車は盗まれたので使用できなくなる」
「くっ…!走って菊君の家へ!」
☆三谷宅
「インターフォンを押す!」
「菊ちゃんが普通に出てくるぜ」
「元気そう?」
「手に包帯巻いてるけど、あの後襲われた様子もない」
「じゃあ、『化物を退治する方法見つけたから一緒に犬養さんの家に行こう』」
「お。連れてく感じ?」
「せっかく助けたのに襲われても嫌だからね」
「なら菊ちゃんは素直に着いて行くぜ」
「ならばまた電車に乗ってふー君の家へ!」
「おー…(コロコロッ)」
「(;゚Д゚)!!」
「では電車に乗ったお前らは無事駅に着くことが出来た。駅までは、な」
乗ってきた電車が動き出す音と共に、君の背後から悲鳴が聞こえるだろう。
振り返ると肩口から血を流し倒れている三谷がいた。
屋根のない簡素なホームには君達以外の人影は見当たらない。
ぴちゃぴちゃとあの足音を聞きながら、君はこの場にあの生き物がいる事を確信した。
「出たぁああー!!」
「よし! 魔法のアイテムの出番だぜ☆」
「うわぁ、めっちゃ蒲公英君が誘導してくれる! ちなみに何匹いるのかな?」
「んー?一匹?」
「アバウトなのはわかった!」
(うん。何回シナリオ見直しても戦闘ラウンド理解できねぇや!(ゝω・)テヘペロ
生物のDEXもわかんねぇし適当に攻撃して、適当に倒してもらおう)
「えっと、御札貼って呪文だっけ?」
「そう。相手は見えないけど足音と菊ちゃんの返り血のおかげで大体わかるぜ!」
「やったね! 御札貼るには何で振ればいい?」
「拳でいいんじゃね? 取ってたろ?」
「任せて! 成功」
「なら呪文はPOW(精神力)対抗で…80だ」
「成功だよ!」
「じゃあ、変な奇声あげて化物は消える」
「おう、あっさりしすぎてびっくりだよ……あ!菊君は大丈夫!?」
「菊ちゃんは左肩を爪で引っ掻かれたみたいだな」
「【応急手当】!」
「頼りになるなぁ」
「救急車呼んで運んでもらおう!」
「菊ちゃんは病院に運ばれるけどお前はどうする?」
「このままふー君の所に行って敵を討つ!」
「OK」
☆犬養家
「お前が家に着くのと同じタイミングで、瓢箪と昼顔さんが家の前に出てくる」
「え?」
「東野! 大変じゃふくが…!」
君は酷く狼狽えた様子の二人を見てすぐに察するだろう。
そのまま彼らの静止も聞かずに家に走り込む。ふく子の部屋に入ると彼女は気を失っていた。
明らかに意識を失った状態にも関わらず、倒れている彼女は何かに支えられてるかのように宙に浮いている。
そして、仲間を失った透明な獣が今まさに君に襲いかかろうと唸っているのを肌で感じるだろう。
「まさにラスボス戦ってやつだね!」
「一匹居なくなったから、お前を完全に敵として認識してるぜ」
「笑止! 【拳】で御札を貼るよ!」
「犬はAとBの二匹がいるな。」
※戦闘いちいち書く大変なので描写でごまかす/(^o^)\
君は近くにいた犬に御札を貼り付けた。
すると近くで風を切るような音がし、後ろに吹き飛ばされる。
すぐ傍に爪痕のような物が残っていたが、君は臆することなくふく子の元へ走る。
彼女の真下にいるであろう獣に御札を貼り付けると、今度は大きな口が目前で開けている。そう感じて転びながら部屋の隅へ回避した。
ポケットから住職に貰った和紙を取り出すと震える声で文字を詠唱する。
獣がこちらに向かって走り出すのを感じたが君はその場から微動だにせず、長い文章を読み終えた。
途端、この世の物とは思えない程、不気味で不愉快な悲鳴が響き渡る。
そのまま二匹は青白い炎を上げたかと思うと、消滅した。
「化物が消えたすぐ後、ふーちゃんは目を覚ます。記憶には無いがお前や瓢箪、昼顔さんに話を聞いて大体の事情を知る。もう彼女の守り神は消えた後だけどな」
「……。」
「おじぎ草」
「はい」
「シナリオクリアです。おめでとう」
「やったぁ!」
「このあとは犬養親子に散々礼を言われるだろうな。全然事情の知らなかった瓢箪はお前の無茶ぶりを叱るだろうけど」
「ヒーローとは影で動くものだからね!仕方ないね!」
「菊ちゃんはふーちゃんと完全仲直りとはいかないまでも、ちゃんとお互い謝罪して普通のクラスメイト程度の関係には戻るんだろうな。」
「菊君の怪我は治るのかい?」
「指はどうしようもないだろうけど、他はしっかりと処理したから大丈夫。応急手当も成功したしな」
「良かったよ本当に」
「他の今後はご想像にお任せします、って感じか」
「終わったぁ!」
「予定通りの時間内で終わって良かったよホント」
「お疲れ様です!」
「お疲れ様でしたー」
じめじめとした空模様は、合いも変わらず大粒の雨を降らし続ける。
昇降口で立ち往生する君に、まだ梅雨が終わらないよと、空は憎らし気に告げていた。
例えば今まで自信なさげに毎日を過ごしていたクラスメイトが、恋人と放課後デートをするなどと自分に言わなければ、とか。
朝、偶然彼女の傘を踏みつけたりしなければ、とか。小雨だから自分のをお詫びに貸すだの宣う事が無ければ、とか。
こんな所にいつまでも足止め喰らう事が無かった、とか。思ったところでどうしようもないのだ。
そういえば、彼女に傘を貸したのは二度目だなと、ふと自嘲気味に思い出す。
あれから平凡だった生活が変わった。
など全く無く、いつも通りの生活をしている自分。
あんな目に出会うのは二度とごめんだが、あんな経験をもう二度と出来ないのもつまらないと。いや、やはりもういいやと思ったり。
きっと、今に満足しているうちは、以前と変わる事などはこれからもないだろう。
しばらく空を見ていたが、やがて溜息を付くと仕方無しに鞄から広辞苑を探す。
と、視界が少し暗くなった。
上を見ると広げられた黄色い傘が見え、視線をずらすと眼帯の少女が俯いたまま傘を差し出していた。
唯一、平凡な日常で変わった事。
頬を染めた彼女を見て、今が梅雨で良かったと、そう感じた。
今回はイラスト一個もないけど、いつか書けたらいいと思います(希望
◎三日目
「意外と長いね」
「退出時間に間に合うか不安だな(inカラオケ)」
「それじゃあ朝6時に起きて、瓢箪くんを迎えに行く準備するよ」
「毎回朝早すぎじゃね? 」
「今日は雨は?」
「降ってる」
「じゃあ今日も雨合羽着て自転車漕ぐよ」
「眠そうな顔して瓢箪が待ってる」
「お年寄りって朝早いんじゃないっけ?」
「これだと16歳だって」
「あ。そっか。 とりあえず瓢箪くんを自転車の後ろに乗せて出発!」
「瓢箪もカッパ着てんのか?」
「いや、傘を後ろで差してるとかでいいんじゃないかな?」
「まーた叱られそうな事を(笑) なら、二人は駅に着いて自転車を降りる」
「あ、ふー君は電車通学だっけ。」
「電車乗った?」
「ちゃんと合羽は脱いで乗ったよ」
「なら【幸運】で振って」
「え?」
「失敗な。お前は自転車に鍵を掛け忘れた」
「∑なっ!!」
「帰りにもう一回【幸運】振って、失敗なら自転車は盗まれる」
「ひどい(´;ω;`)」
☆犬飼家
「金持ちって感じではないけど、そこそこ広い素朴な一軒家だぜ」
「っぽいねー。インターフォン押すよ」
「すぐふーちゃんが出てくるな。二人を家に上げて麦茶と茶菓子を出してくれる」
「じゃあ、本題に入ろうかな。『君は犬神筋については本当に全く聞き覚えない?』」
君の質問に対してふく子は悲しそうに首を振る。
彼女は全く聞き覚えのない事を伝えると、母を呼んでくると席を外した。
「本当に知らないみたいだね。
んー? もしかしてこの話って、ふー君目の前でしない方がいいのかな?」
「その辺は自分で考えて」
「うーん。だったらお母さんの話を聞いている間は、ふー君には退室願おうかな?
うん。せっかく瓢箪君を連れて来たわけだしね」
「まさに瓢箪の有効活用(笑)。OK、ならお母さんが来るぜ」
「まさかテッセン君あたりじゃないだろうね?」
「何その発想。だったら昼顔さん(先代)にするわ」
「似てないなぁ」
戸が空くとこんにちはと髪の長い女性が入ってくる。
そして、部屋にいる男子二人を見回する意味ありげにくすりと笑った。
後からふく子が入ってくると「変なこと言わないでね」と女性に向かって小さく言うのがわかるだろう。
「あるあるだよね!」
「じゃあ、瓢箪にふーちゃん頼むか?」
「お願いしよう」
「瓢箪がふーちゃんを連れて部屋を出るぜ。ふーちゃんはちょっと気になる素振りは見せるけど素直に出て行くな」
「そういえば父親はいないんだね」
「部屋で小説でも書いてんじゃね?」
「なるほど。 よし、早速。『犬神筋をご存知ありませんか?』」
女性、ふく子の母親は少し考えるようにすると、そういえばと呟く。
「昔、私の祖母。つまりふく子のひいおばあちゃんがそんな話をしていた気がするわ」
それは先祖代々に伝わる守り神の話で、女性にしか憑く事がないと言われている物だ。
「色々言い聞かされてはいたんだけど、小さい頃の事でよく覚えていないの。ただ一つだけ、ずっと私の心にあって、ふく子にも言い聞かせた言葉があるの」
彼女は君の目を真っ直ぐ見ると、胸に手を当てこう言った。
「『決して人を恨まない事。そうでないと悪い事が起こるから』」
「うわい。大体予想通り」
「ぶっちゃけ図書館行ったあとだと、真新しい情報ねぇよな」
「ある意味これで『ふく子』という人間の真髄はわかった気がするよ」
「さて、他に聞くことはあるか?」
「んー。大体出揃ったし、あとはお寺に行けばわかるんじゃないかな?とは思うよ」
「なら寺に向かうか?」
「今何時?」
「お前がやたら早く来るからまだ10時位」
「菊君の家には午後って約束だからまだあるね。お寺ってどの辺?」
「ふーちゃん家からなら近い。歩いて30分」
「近いかなぁ? まぁ一応お母さんにお礼言って、ふー君達にも声かけよう」
ふく子の部屋に来ると君は断りを入れて戸を開ける。
すると中にいた二人が慌てて俯いている。その頬はわずかに赤い。
「事後だね(確信)」
「事後とか言うなww」
「じゃあ二人に『ごゆっくり~』って言ってお寺に向かおう」
「放置かよwwww」
「バスってある?」
「あるんじゃね?10分くらいで着く奴」
「バスがいいな」
「【幸運】で降ってみ?」
「成功」
「安定してんなー。」
「70あるからね!」
「残念ながら最初に失敗してるからなお前」
☆万丈寺
「高台にあるお寺だな。階段が長い」
「もうへとへとだよね! 最終的に30分掛かってそうだよ!」
「あー…住職どうしよっかな」
「え? 朝顔君だろ?」
「え。」
「?」
「よしそうしよう! 丸眼鏡を掛けた坊さんがお前を迎えてくれるぜ!」
「……あ! そうかふー君の家!」
「そう。実はあそこの父親はテッセンだったのだ!」
「まさかの!? そんな所でフラグ回収しちゃうの!?」
君は今までの出来事を全て住職に話す。
すると彼は思案したあと奥に引っ込む。しばらくして戻ってくると古い箱を手に持ち戻ってくるだろう。
「今まで伝承事だと思っていたが、君の話を聞くとそうも言ってられないねぇ」
住職が蓋を開けると、中には御札が3枚とお経の様な文が書かれた和紙が出てくる。
「おぉ! アイテムだ」
「御札には五芒星の真ん中に炎が燃えているようなマークが着いてるな」
「何かありそうだね」
「【オカルト】で振る?」
「取ってないな…それって何かわかる?」
「何もわからない」
「あっ。そう」
「坊さんは御札を張ったあとに呪文を唱えるよう言ってるな」
「なら、お礼を言って菊君のところに向かおうか!」
「折角だから菊ちゃんが襲われるかダイス振るか」
「やめてー!」
「(コロコロッ)チッ じゃあどうする?」
「今本当に振った!? バスで駅まで行って電車に乗るよ!」
「忙しい奴だな。まぁ菊ちゃんの家は知ってるから13時までには着くぜ」
「よし」
「じゃあ【幸運】で振って」
「な、まさか菊君に何か…?」
「いや、自転車」
「あったねそんなの!! 失敗…orz」
「なら、自転車は盗まれたので使用できなくなる」
「くっ…!走って菊君の家へ!」
☆三谷宅
「インターフォンを押す!」
「菊ちゃんが普通に出てくるぜ」
「元気そう?」
「手に包帯巻いてるけど、あの後襲われた様子もない」
「じゃあ、『化物を退治する方法見つけたから一緒に犬養さんの家に行こう』」
「お。連れてく感じ?」
「せっかく助けたのに襲われても嫌だからね」
「なら菊ちゃんは素直に着いて行くぜ」
「ならばまた電車に乗ってふー君の家へ!」
「おー…(コロコロッ)」
「(;゚Д゚)!!」
「では電車に乗ったお前らは無事駅に着くことが出来た。駅までは、な」
乗ってきた電車が動き出す音と共に、君の背後から悲鳴が聞こえるだろう。
振り返ると肩口から血を流し倒れている三谷がいた。
屋根のない簡素なホームには君達以外の人影は見当たらない。
ぴちゃぴちゃとあの足音を聞きながら、君はこの場にあの生き物がいる事を確信した。
「出たぁああー!!」
「よし! 魔法のアイテムの出番だぜ☆」
「うわぁ、めっちゃ蒲公英君が誘導してくれる! ちなみに何匹いるのかな?」
「んー?一匹?」
「アバウトなのはわかった!」
(うん。何回シナリオ見直しても戦闘ラウンド理解できねぇや!(ゝω・)テヘペロ
生物のDEXもわかんねぇし適当に攻撃して、適当に倒してもらおう)
「えっと、御札貼って呪文だっけ?」
「そう。相手は見えないけど足音と菊ちゃんの返り血のおかげで大体わかるぜ!」
「やったね! 御札貼るには何で振ればいい?」
「拳でいいんじゃね? 取ってたろ?」
「任せて! 成功」
「なら呪文はPOW(精神力)対抗で…80だ」
「成功だよ!」
「じゃあ、変な奇声あげて化物は消える」
「おう、あっさりしすぎてびっくりだよ……あ!菊君は大丈夫!?」
「菊ちゃんは左肩を爪で引っ掻かれたみたいだな」
「【応急手当】!」
「頼りになるなぁ」
「救急車呼んで運んでもらおう!」
「菊ちゃんは病院に運ばれるけどお前はどうする?」
「このままふー君の所に行って敵を討つ!」
「OK」
☆犬養家
「お前が家に着くのと同じタイミングで、瓢箪と昼顔さんが家の前に出てくる」
「え?」
「東野! 大変じゃふくが…!」
君は酷く狼狽えた様子の二人を見てすぐに察するだろう。
そのまま彼らの静止も聞かずに家に走り込む。ふく子の部屋に入ると彼女は気を失っていた。
明らかに意識を失った状態にも関わらず、倒れている彼女は何かに支えられてるかのように宙に浮いている。
そして、仲間を失った透明な獣が今まさに君に襲いかかろうと唸っているのを肌で感じるだろう。
「まさにラスボス戦ってやつだね!」
「一匹居なくなったから、お前を完全に敵として認識してるぜ」
「笑止! 【拳】で御札を貼るよ!」
「犬はAとBの二匹がいるな。」
※戦闘いちいち書く大変なので描写でごまかす/(^o^)\
君は近くにいた犬に御札を貼り付けた。
すると近くで風を切るような音がし、後ろに吹き飛ばされる。
すぐ傍に爪痕のような物が残っていたが、君は臆することなくふく子の元へ走る。
彼女の真下にいるであろう獣に御札を貼り付けると、今度は大きな口が目前で開けている。そう感じて転びながら部屋の隅へ回避した。
ポケットから住職に貰った和紙を取り出すと震える声で文字を詠唱する。
獣がこちらに向かって走り出すのを感じたが君はその場から微動だにせず、長い文章を読み終えた。
途端、この世の物とは思えない程、不気味で不愉快な悲鳴が響き渡る。
そのまま二匹は青白い炎を上げたかと思うと、消滅した。
「化物が消えたすぐ後、ふーちゃんは目を覚ます。記憶には無いがお前や瓢箪、昼顔さんに話を聞いて大体の事情を知る。もう彼女の守り神は消えた後だけどな」
「……。」
「おじぎ草」
「はい」
「シナリオクリアです。おめでとう」
「やったぁ!」
「このあとは犬養親子に散々礼を言われるだろうな。全然事情の知らなかった瓢箪はお前の無茶ぶりを叱るだろうけど」
「ヒーローとは影で動くものだからね!仕方ないね!」
「菊ちゃんはふーちゃんと完全仲直りとはいかないまでも、ちゃんとお互い謝罪して普通のクラスメイト程度の関係には戻るんだろうな。」
「菊君の怪我は治るのかい?」
「指はどうしようもないだろうけど、他はしっかりと処理したから大丈夫。応急手当も成功したしな」
「良かったよ本当に」
「他の今後はご想像にお任せします、って感じか」
「終わったぁ!」
「予定通りの時間内で終わって良かったよホント」
「お疲れ様です!」
「お疲れ様でしたー」
じめじめとした空模様は、合いも変わらず大粒の雨を降らし続ける。
昇降口で立ち往生する君に、まだ梅雨が終わらないよと、空は憎らし気に告げていた。
例えば今まで自信なさげに毎日を過ごしていたクラスメイトが、恋人と放課後デートをするなどと自分に言わなければ、とか。
朝、偶然彼女の傘を踏みつけたりしなければ、とか。小雨だから自分のをお詫びに貸すだの宣う事が無ければ、とか。
こんな所にいつまでも足止め喰らう事が無かった、とか。思ったところでどうしようもないのだ。
そういえば、彼女に傘を貸したのは二度目だなと、ふと自嘲気味に思い出す。
あれから平凡だった生活が変わった。
など全く無く、いつも通りの生活をしている自分。
あんな目に出会うのは二度とごめんだが、あんな経験をもう二度と出来ないのもつまらないと。いや、やはりもういいやと思ったり。
きっと、今に満足しているうちは、以前と変わる事などはこれからもないだろう。
しばらく空を見ていたが、やがて溜息を付くと仕方無しに鞄から広辞苑を探す。
と、視界が少し暗くなった。
上を見ると広げられた黄色い傘が見え、視線をずらすと眼帯の少女が俯いたまま傘を差し出していた。
唯一、平凡な日常で変わった事。
頬を染めた彼女を見て、今が梅雨で良かったと、そう感じた。