大学選手権初戦。
京産大は関西1位のため、シード化されて準々決勝からの試合となった。
対するは大学最多優勝校の早稲田大。
昨年、正月国立競技場で初の決勝進出を期待しての対戦ながら、スクラムをいなされ、ラインアウトで翻弄され、試合巧者ぶりを見せつけられ、1点差で涙を飲まされた。
2年連続の対戦で昨年のリベンジを果たす大チャンスながら、過去対戦成績は2勝10敗と極めて分の悪い相手だった。
それでも僕の中では、大畑主将時代の花園ボコボコ事件(69-18)を目撃してるので、あまり弱気な感ではなかった。
試合は、なんとなんと前半も後半も圧勝し、65-28で完勝という想定外の大差の結果だった。
(選手整列に応える9倍旗)
これはいけるんじゃないか、と最初に感じたのが、前半すぐのファーストスクラム。
組むやいなやグイグイっと相手を後退させ、力の差が歴然だった。
3点を先行し、そのあと矢崎君にスコンと抜かれて7点を失った時は不安がよぎったけども、その後相手スクラムでは球出しを乱れさせ、マイボールスクラムではコラプシングを奪うFW力を見た時、これは風下の前半さえ耐えれば、後半は結構チャンスの多い展開になるんじゃないか、と思えた。
不安だったラインアウトもチューカ君中心によく確保し、この試合でもポルテレ君、フナキ君、ヴェア君が相手をなぎ倒し、他のメンバーは極めて規律よく、スキルフルに、献身的に、そして豊富な運動量で、80分間、すべての面で早稲田を圧倒した。
結果的に大差がついてノーサイド。
これで、3年連続10度目のベスト4、国立進出が決定した。
今回、今までと少し違う感情でベスト4進出を嬉しく感じた。
今までの国立進出は、日本一の光景を見たいことはもちろんだけど、大学のブランドで簡単に人を集め、プロ並みのスタッフで洗練されたラグビーを披露する関東勢に、嫉妬や妬みを持って、そういう相手を倒したいという思いで国立進出を喜んでたのだけれど、今回はなんかちょっと違うんだな。
まず1つ目は、全国一と言われるハードな練習を積んできた彼らの努力の成果を、大観衆と大多数のTV視聴の中でみてもらうことができることになってよかったという嬉しさ。
彼らの努力の結晶をぜひ多くの人に見てほしいと思う。
2つ目は、1つ目と一緒なんだけど、京産大といえばFWのみ、そしてザルディフェンス、古典的ラグビー、という評価が一般的だった中で、今年はFWとDFのバランスがとてもよく、キックも小技も多彩で、レベル高い新しいスタイルの京産大を多くの人に見てもらえるという期待感。
3つ目は、S級の能力を有する選手を多くのラグビーファンに見てほしいということ。
京産大のスクラムを全国に見せたいと思ったことはあるけれど、選手としての個人技を他人に見せたいと思った選手は、やっぱり廣瀬さん(監督)のキックと、大畑さんのランぐらいだったかな。。。
しかし今年は全国のラグビーファンにぜひ見てほしいと思う選手が2人いて、それがポルテレ君の突進と、三木君のタックル。