わたしは、中学3年の自閉症スペクトラム(ASD)の息子がいます。

息子は、いろいろなことに対してこだわりが強くて、食べ物に対してもこだわりがあります。

 

それぞれの食べ物に自分の食べられる味があって、

ラーメンはしょうゆ味。

スパゲッティはトマト味。

ハンバーグはデミグラスソース。

ピザはマルゲリータ。

サラダは青じそドレッシング。

 

お店でどんなに種類があっても、その味しか注文しません。

家では、息子の食べられる味に合わせて作っていたのですが、

たまには他の味が食べたいなあと思って、違う味のものを作ると、

一口食べて「いらない」と言うのはまだ良い方で、

食べる前から「いらない」と言われることもあります。

 

せっかく作ったのにと、イラっとしてしまうこともありましたが、

これも、脳の特性からくるものなのです。

感覚が過敏なことから、食感や匂いへのこだわりがあったり、見た目へのこだわりがあることもあります。

たらこスパゲッティようなツブツブしたものは、不快と感じて受け付けないということがあります。

 

 

また、初めて食べるものに対しての不安が大きく関係していることもあります。

 

私たち大人でも、初めて見た食材を食べる時には、不安になりますよね。

 

ASDの子どもたちは、想像力の困難さから、食べたことのある食材でも、

調理方法が違っていたり、見た目が違っていることに大きく反応してしまい、

不安になって食べられなくなってしまいます。

 

また、嫌いなものが混ざっているかも・・という警戒心から食べられないということもあります。

 

そのようなときは、安心感を作ってあげることが1番なので、

まずは気持ちに寄り添って

「そっか、嫌なんだね。今日はこの味しかないから、他のもの食べてくれる?」

と子どもの好きなものを用意してあげます。

 

 

周りの人が「おいしい」と言って食べているのを見せることで、

すぐには食べなくても、何度か見ているうちに、

「食べてみようかな」という気持ちになるときがあります。

 

そしてもし、食べられたら、「ありがとう!食べてくれて嬉しいよ!」

と気持ちを伝えることで、「お母さんが喜んでくれた。また食べてみよう」という気持ちが生まれます。

 

また、一緒に料理ができるようなら、一緒に作ることで食材や調味料など入っているものがわかるので、

安心して食べてみることができることもあります。

 

食事の時間が楽しいことが何より大切だと思いますので、無理なく食べられるものを増やしていけるといいですね!

 

発達科学コミュニケーション

トレーナ 笠井みほ