1994年に気象予報士制度が導入されたことで、現在では一万人を超える気象予報士が誕生しています。

そんな流れの結果なのか、一般の人達の気象に関する興味も増しているように思えます。

それらが原因なのか、『線状降水帯』、『ゲリラ豪雨』、『爆弾低気圧』など、今まで耳にしたことのない新しい気象用語が数多く誕生しているのです。

それでも、今まではこんな表現だけが先走っているような印象を持っていたのですが、先日見た『かなとこ雲』には、気象の方にも何か新しい変化が生じているように感じてしまいました。

 

下の写真は、今年(2020年)の8月30日に多摩都市モノレールの背景に見えたかなとこ雲です。

 

 

『かなとこ雲』の正式名称は『積乱雲』なのですが、積乱雲には、他にも『入道雲』や『かみなり雲』と言った呼び名があります。

積乱雲が上空に発達していき、高度が10kmになって対流圏の上端に達すると、それ以上の上空には発達できずに上端の周りに広がっていきます。

このときの形が鍛冶屋で使われている『鉄床(かなとこ)』に似ていることからこの名前がついたようです。

上空でこれだけ周りに広がったかなとこ雲を見るのは初めてで、このことから気象の変化も感じてしまうのです。

きっと、この雲の下では今までに経験した事のないような“どしゃ降りの夕立”が観測されていたのではないでしょうか。

                                       〔カーネル 笠井〕