ある日、8人の子供たちのお弁当をのぞいて見ました。

 

A君のお弁当には形のいい大きな梅干しが入っていました。

きっと有名な“南高梅”なのでしょうか。

ところが、A君はその梅干しをお弁当箱のふたの上に出して食べ始めました。

 

私「どうして、梅干しを食べないの?」

A君「酸っぱくて食べられないんだもの。先生、食べてくれる?」

私「だめだよ。せっかくお母さんが健康のことを考えて入れてくれたのだから、ちゃんと食べないと」

A君「じゃあ、後で捨てちゃう」

私「それじゃあ何にもならないよ。半分でも食べたら?」

 

そう言うとA君は、梅干しの4分の1ほどを箸でくずし、残りを私に手渡しました。

私の苦手なタイプの梅干しですが、ずいぶんと立派なもので、こんなものはしばらく食べた事がありません。

『もしかすると美味しく食べられるかもしれない』と思い、口に入れてみました。

が、やはりかなり酸っぱいもので、次は無理だな、と感じてしまいました。

 

Bさんはよく市販のお弁当を持ってきます。

でも、そのときには必ずお菓子のコーナーで売られているカリカリ梅や甘い味のする梅干しを買ってきて、お弁当の後で食べています。

 

私「いつもそういう梅干しを食べるの?」

Bさん「いつも買うように言われているの。1つ食べて」

 

そう言って1つを私にくれたのです。

ハチミツ漬けのバニラ味のする甘いものでした。

これなら私にも食べられる、と思いました。

 

サッカーをやっているE君とFさんのお弁当には普通の梅干しが入っていました。

2人とも平気でそれを食べています。

勉強以外にも激しい運動をするので、きっと体が要求しているのだと思いました。

 

それ以外の子供たちのお弁当には梅干しは入っていませんでした。

 

自分の経験では、梅干しの健康効果はバツグンだと信じています。

ですから、定期的にでも子供達に梅干しを食べさせて欲しいと思っているのです。

 

人間の体は不思議なもので、初めて食べたときには『まずい!』と思っても、それを食べた結果として体の働きが良くなったりすると、体が要求するのでしょうか、無意識にそれをまた食べたくなるものなのです。

そして、次に食べたときにもやっぱり『まずい!』と思うのですが、しばらくするとまた食べたくなるのが不思議です。

ですから梅干しの苦手な子供達にも、始めは2~3日おきでも良いので、食べさせるようにして欲しいと思います。 〔 カーネル笠井 〕