小学校6年生に対してこんな質問をしてみました。

私 「今日は13日の金曜日だけど、知ってた?」

A 「何それ、知らない!」

私 「イエス・キリストがゴルゴダの丘で十字架に張付けにされたされたという日で、不吉な日とされているんだ。」

B 「私たちには関係ないじゃない。」

私 「確かにそうだね…。」

 

同じ質問を中学校3年生にしてみると、

C 「知っているわ。何かこわいよね。」

私 「そうだね。不吉なことがなければいいけどね。」

D 「どうしたら防げるのかしら?」

私 「今までに何も変なことはおこらなかったんだ。きっと、多少は警戒していたことが良かったのかも知れないね。」

C 「何もないといいなあ。」

 

3学年ちがうだけで、これだけ反応がちがいました。

一時、アメリカの映画で『13日の金曜日 』というタイトルの残酷な映画が何作も作られていたので、その影響があったのかもしれません。

 

ある年の4月の13日の金曜日の午前中のことです。

買い物をするために家から駅までの道を急いで歩いていました。

その途中、目の前をバサバサと音を立てて横切り、歩道の反対側の植え込みに止まるものがありました。

何だろうと思って近づいて見ると、それはこの年初めて見るトノサマバッタだったのです。

何でこんなに早い時期にトノサマバッタがいるのだろうと思い、しばらく観察してみました。

 

体の大きさや、背中のトレードマークのはん点は、やはりトノサマバッタのものでした。

じっとしているのでつかまえられるかも知れないと思い、そっと手のひらを近づけてみました。

 

当然パッとジャンプをして逃げてしまうはずです。

そうしたらあきらめて、さっさっと買い物に行くつもりだったのです。

ところが、かなり手のひらを近づけてもピクリとも動かなかったのです。

 

そこで私は迷ってしまいました。

 

“ 両手を使えば簡単につかまえられそうだ。”

“ これをつかまえて子供たちに見せたら喜ぶだろうな。”

“ しかし、まだ弱々しい体つきの幼虫なので、つかまえて死なせないように育てるのはかなり大変なことかも知れない。”

 

などと考え、結局はつかまえずにそこでしばらく観察することにしたのです。

 

良く見ると、背中のはん点は成虫に比べて色がうすく、数も少ないようです。

さらに、後ろ足がとても大きくて立派なのに、少しよろついたようなかっこうで立っていました。

以前トノサマバッタをつかまえて虫かごの中に入れたことがあります。

逃げようとしたトノサマバッタが虫かごに体当たりし、とても大きな衝撃が伝わってきたことを思い出したのです。

そのときのトノサマバッタと比べて、全体の体つきがとてもアンバランスだったのです。

 

この日は13日の金曜日で、年甲斐もなく何か不吉なことが起こるのではなどと考えていたせいか、このトノサマバッタに『 ジェイソン 』と命名しようかなどと考えたのです。

映画『13日の金曜日 』の主人公の “ジェイソン” は、精神がとてもアンバランスと思えた点が共通点と思えたからです。

 

“13日の金曜日” にはこんな思い出があるので忘れがたいものになっています。

今年はエイプリルフールも日本ではあまり話題にならないまま通り過ぎていきました。

何かいろいろな習慣が大きく生まれ変わっているような気がするのです。

良いことにも思えますが、さびしい気持ちにもなるのです。 〔カーネル笠井〕