わが家のまわりの山々が萌え出しました。
もともと山地を開発したニュータウンなので、いたる所に山のなごりが見受けられます。
うすい若葉色が目に染み込んで、心の底から若返るような気持になれます。
年を重ねるうちに、この時期が一番好きになってきました。
秋の紅葉で山々が “ 燃える” のも素晴らしいのですが、これは私には少し刺激が強すぎるようです。
せいぜいこの時期を十分に楽しみたいと思います。
最近、女の子の名前にも『 萌 』が多く使われています。
きっと若葉が萌え出すイメージからきているのではないでしょうか。
この時期になると、イギリスのロックグループ、ビージーズの『 ファーストオブメイ 』という曲を思い出します。
直訳すると “5月の初め” なのですが、これが『 若葉の頃 』と訳されていて、この言葉がとても気に入っています。
ですから私もこの時期を『 若葉の頃 』と言うことにしています。
どうやら日本だと、若葉の頃はイギリスよりも一カ月近く早いようです。
この曲は、以前テレビドラマの主題曲にも使われていましたが、この曲自体はむしろ初冬を思わせるもので、私は『 若葉 』よりも『 ひいらぎの葉 』を連想してしまうのです。
イギリスの若葉の頃は、この曲のようなイメージなのでしょうか。
イギリスには『 ジューンブライト 』という言葉があります。
直訳すると『 6月の花嫁 』となり、6月に結婚をすると幸せになれると言われています。
ところが、日本の6月は梅雨の雨降りのイメージがあり、あまり好まれません。
イギリスは日本の北海道よりも北にあり、日差しも弱くなります。
ところが一年を通してあまり寒くならないのです。
その理由は、大西洋を北上する暖流がイギリスを包み込んでいるからなのです。
日差しが弱く、冷たくなった地面の上を海水と共にやってきた暖かくて湿った空気が流れるとどうなるのでしょうか。
そんなときには、たいていは霧が発生します。
そこでイギリスの首都は『 霧の都ロンドン 』とも呼ばれています。
一年中霧が発生するために傘をさしていても洋服が湿ってしまいます。
そこでイギリスでは霧をさけるためにマントを身に着けるのです。
ところが、そんなイギリスでも6月だけは良く晴れた好天が続くのだそうです。
『 ジューンブライド 』にもいろいろないわれがあるようですが、その元はこの天気にあるのではないでしょうか。
日本の結婚式も “大安吉日” が相場でしたが、最近では一番嫌われる “仏滅” の日に結婚式を挙げるカップルが増えています。
人が嫌うので割引料金になるからだそうです。
「割引でラッキー。」
ぐらいな気持ちのようです。
どうやら、すべては気の持ちようのようですね。 〔 カーネル笠井 〕