昔、テレビの番組で『七人家族』というドラマが放送されていました。

その中の一話に、こんな内容のものがありました。

 

あるとき、その家族の息子が、天体望遠鏡を買って欲しいと父親にせがみます。

でも父親は頭ごなしに反対したのです。

息子やその周りの家族たちはさかんに父親を説得しますが、父親は断固として反対し、普段は物わかりの良い父親が、何故そんなに反対するのかの真意がつかめないでいました。

そんな父親も、息子のひたむきさに押され、最後には天体望遠鏡を買ってあげることになりました。

そんな父親が、最後にもらした反対する真意は次のようなものでした。

 

「月にはうさぎが住んでいて、もちつきをしているんだ、というおとぎ話を、もっと大人になるまで信じていて欲しかった。望遠鏡で月を見ることで、それが失われてしまうことが残念だけれども、仕方がないだろう」

 

『子供の頃にサンタクロースの存在を信じる気持ちが、大人になると人を信じる気持ちにつながる』、という『サンタの住む空間』というお話があります。

そういったものの影響か、サンタクロースが実在し、クリスマスには毎年プレゼントを運んできてくれるものと、六年生になっても信じている子が今でもたくさんいるのです。

ちょっと信じられないかも知れませんが、私の知る限りでは五人に二人くらいの割合でこれを信じている子がいるのです。

これは、子供達のこういった気持ちを大切にしたい、と考えている大人がたくさんいることの表れではないかと考えられ、とても喜ばしく、また何故か励まされる気持ちにさえなるのです。

 

車の性能の偽装やオレオレ詐欺など、人をだますような犯罪が続いています。

こんな事件を起こす人達は、こういった“信じる気持ち”を育まずに大人になってしまったのではないでしょうか。

 

月と言えば、今年〔2016年〕は9月15日(木)が“中秋の名月”にあたります。

しかし、この日はまだ十三夜の月で、十五夜の満月になるのは二日後の9月17日(土)だそうです。

この間がお月見には最適の期間になります。

 

お供えは丸い月見団子が15個と、ススキの穂です。

月見団子には豊作祈願や収穫のお祝い、そして健康や幸福が満ちるようにといった意味合いがあり、ススキには魔除の意味合いがあるそうです。

ですから、お供えをすることで神様との結び付きが強くなると考えられているのです。

 

これを信じることで、日々の生活に張り合いが持てると良いですね。 〔 カーネル笠井 〕