今日も早朝から、

「カナカナカナカナカナ‥‥」

と鳴く、ヒグラシの“蝉(せみ)しぐれ”を聞きながら目を覚ましました。

間もなく、

「ジージージージージー‥‥」

と鳴く、アブラゼミが加わり、

「シャーシャーシャーシャーシャー‥‥」

とうるさく鳴く、クマゼミも加わります。

クマゼミは、私が子供の頃にはまだいなかった外来種のセミです。

「後からやってきたくせに、よくもしゃあしゃあと鳴くものだ」

といった気持ちにさせるほどうるさく鳴くのです。

やがて、

「ミーンミーンミーンミーンミーン‥‥」

と鳴く、ミンミンゼミが加わると、あきらめて笑ってしまうほどの大合唱です。

 

この大迷惑な蝉しぐれも、日本では夏の風物詩として多くの人々に愛されています。

その表れなのか、夏のセミの鳴き声や、秋のコオロギなどの鳴き声は、中学入試の理科の問題としても出題されるほどなのです。

 

ところが、アメリカをはじめとする多くの諸外国では、虫の鳴き声は金属的で嫌な音として受け止められています。

そのためか、日本のように夏や秋の虫の鳴き声を表す擬声語もないのです。

 

今でも、日本の国土の約67%が森林として残されています。

これは、先進国の中では奇跡的な数字なのだそうです。

今日でも、多くの日本人が自然を愛し、大切にしているからこそできた数字なのではないでしょうか。 〔 カーネル笠井 〕