『MJ12』MJ12(2016) | Welcome Back My Friends to the Blog That Never Ends... Ladies and Gentlemen

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手持ちのCDの感想を書きつらねるブログ

せっかくブログを作ったので。
購入したまま聞いていないCDもあるので、手持ちの音源を聞いていき感想を書いていこうかと。
レビューや解説ではなく、あくまで記録としての感想。もしくは独り言。

 

31枚目はコレ

予約してから待ちに待っていた待望のパーシー・ジョーンズの新譜が届いたので、さっそく聞きながら。

 

このバンドの情報を見つけることが出来ず、どういった経緯で結成されたのか、誰が主導権を持っているのか、そもそも定期的に活動しているちゃんとしたバンドなのか、まったく分からないのだけれど。アマゾンのサイトでお勧めに表示され知ることが出来、そのまま予約した次第。

メンバーは、フレットレスベース(「ベース」ではない!)がパーシー・ジョーンズPERCY JONES、ドラムがステファン・モーゼスSTEPHEN MOSES、サックスがクリス・バッカスCHRIS BACAS、ギターがデビッド・フィリプスDAVID PHELPSの四人。パーシー以外のメンバーの検索をするものの、ステファンのwikipediaの項目(ただし情報はほとんど無い)が見つかったのみで、他は情報は見つからず。

 

ただし、バンドの公式Facebookではないかと思われるものが見つかった。

Mojo Working + MJ 12

ただし2015年3月で更新が途絶えている。

また、Facebookの投稿から、Bland Xの代表曲"Nuclear Burn"のMJ12による演奏も発見。

 

バンド名の意味について。

「MJ12」で検索をすると、真っ先に「マジェスティック・トゥウェルヴ」に辿り着く。Wikipediaによると「MJ-12(マジェスティック・トゥウェルヴ、英: Majestic 12)とは宇宙人に関する調査や、宇宙人との接触や交渉を、過去60年に渡って秘密裏に行ってきたとされるアメリカ合衆国政府内の委員会の名称である。」とのこと。

昔のベースマガジンのパーシーのインタビューで、Tunnelsは当初はHEXというバンド名で、言葉の響きが好きだからバンド名に付けた、、、とあったはず。MJ12というバンド名も、もしかしたら深い意味は無いかもしれない。

 

アマゾンの商品ページなど、ネット通販サイトではアーティスト名がPERCY JONESとなっているが、CDのジャケットはMJ12表記となっている。よって、ブログのタイトルもそれに従った。

 

CDジャケットと、レーベルサイトの曲順が異なっている

レーベルのこのアルバムのページ

三曲目の"Magic Mist"と四曲目の"Talk Time"の曲順が、CDジャケットでは入れ替わっている。後述するように、"Talk Time"のみメンバー共作ではないので、曲の雰囲気が違うと推測できる。おそらくCDジャケットの曲順が間違っているのではなかろうか。その前提で、記事を書いていく。

 

 

"Call 911"のドラムとベースのイントロで、安定のパーシー節が炸裂している。モコモコした音色の、不安定な音程で、七拍子の不気味なベースラインを繰り返す。この人のフレージング、、、と言うよりも、音の使い方はとてもマネできるものではない、独特のセンス。サックスのソロがリバーブなどの残響音の効果をかけておらず、とても生々しい。ジャズ寄りか? 曲調としては、Tunnelsそのままと言う感じだが、電子楽器がおらず、ギターも歪ませているのみでエフェクターを使用していないため、よりシンプルでストレートなジャズロック。

"Bad American Dream Pt 2"はベース一本のイントロでスタート。Tunnelsに"BAD AMERICAN DREAM"との曲があったはずなので、その続編か。しっとりとした、だけれど不気味な前半から、テンポが上がり激しい曲調へと変化し、各自のソロ合戦となる。キメ部分はサックスのリズムが甘いのだが、そこがまだ不安定な感じでこのバンドに相応しい。パーシーはここぞと言うところでピッチを外し、不安感を増している。

"Magic Mist"は打ち込みのパターンをバックにベースソロから。いつもの手癖全開。この部分のみなら、パーシーのソロアルバムの『Cape Catastrophe』に通じるところはある。Tunnelsでもそうであったが、機械的で無機質なパターンと、不安定で感情的な人間的な演奏の融合、というのがパーシーが長年模索している音楽の一つではなないかと感じている。

"Talk Time"はこれまでと打って変わって、今風(コンテンポラリー?)なジャズ風な楽曲。この曲のみ、サックスのクリス・バッカスの単独作曲。

"The Wow Signal"は元に戻り、パーシーの不気味なベースが支配する怪しい楽曲。数えてみても、何拍子か分からず、、、7拍子と5拍子が混ざっている? 途中からテンポアップするが、決して熱くなり過ぎず、淡々と進んでいく雰囲気は、Bland Xから続く英国ジャズロックの伝統か。

"Big Daddy Road"では妖しいリフを繰り返す中、ギターが強く歪ませ即興的に弾きまくる。かなり実験的、、、と思ったら、途中からシンプルな4ビートのサックスソロに。珍しくパーシーが4ビートのウォーキングベースを弾いている。

"The Phantom Maracas"はゆったりとしたリフをバックに、サックスがソロを吹きまくる。音程とリズムがジャストすぎておらず、ベースと合わさり、楽曲の不安定感が増している。

"Guns and Pussy"はメロディアスなキメのフレーズがあるなど、今風なジャズの楽曲。5拍子が楽曲の主軸か? キメのフレーズが多いが、瞬発力というか、キレが足りないのは、ドラムが原因だろうか。

"Magic Mist Reprise"は、3曲目と同じ打ち込みのパターンをバックに、再び不気味なベースソロから。そこに他パートが静かに絡み合っていく、即興的で実験的な音楽。淡々と、不気味な雰囲気を漂わせながら、フェードアウトする。

 

MIDIヴァイブの主張が強かったTunnelsと比べると、よりシンプルな今風なジャズに近いのだろうか。ダビングもしていないようで、即興演奏をそのまま録音した、と言えそうな内容。

一曲を除いて、作曲者がバンドメンバーのことから、いずれも即興演奏を繰り返し形になった楽曲なのだろう。そのため明確なメロディーがなく、メンバーの作り出す音の世界の雰囲気に身をゆだねるだけなのだが、ともかくもパーシーの不気味さが楽曲を支配しており、聴く者がそこに入り込めるかどうかではなかろうか。

 

現在のパーシーが聴ける、そして相変わらずの妖しいフレーズを繰り出すセンスが変わっていないことが確かめられた、貴重なアルバム。

 

そういえば。Bland Xが再結成するらしいとか、、、