2月20日午後4時5分、新月を迎えます。

この新月は一年の最後の新月と言えます。というのも、3月21日の春分に太陽が牡羊座に移動して西洋占星術では新たな年を迎えるからです。魚座という12星座最後の世界で起こるこの新月は、一年を締め括るものとなります。

この「最後の新月」には深い意味を読み取ることができます。そもそも新月とは月が太陽と重なる瞬間のことで、太陽の影に隠れた月はその光をすべて失います。これは一つの月光サイクルの終わりと新たなサイクルの始まりを同時に宿した、いわば「未来の可能性そのもの」ともいえる状態です。そして今回の「最後の新月」は、これまで1年のサイクルの終わりを告げるとともに、新しい一年の始まりを生み出そうとするものです。つまり、一年分の「未来の可能性」が詰まった新月となっているのです。

さらに重要なこととして、この新月には試練の星・土星も重なることがあげられます。実は土星は3月7日に二年半ぶりに星座を移動します。これは占星術的にとても大きな出来事であり、人々がここ数年直面していた試練に終焉が訪れることを暗示しています。今回の「未来の可能性」が詰まった新月に、大きな節目を迎えようとする土星も重なるということは、「試練の終焉」が「未来の可能性」へと繋がっていくと解釈することができるのです。

すべての月光を失った状態は宇宙の真空とも呼べるものです。そしてこの真空は人々の思いを吸い取ることで新たな月光を生み出していきます。人々が新月に願いや誓いを投げるのは、新たに満ちてゆく月光をその思いで満たすことを願うからなのでしょう。だから、今回の「最後の新月」には、ぜひあなたの一年分の誓いや願いを投げ入れてください。試練の星・土星と共鳴するこの新月は、これまでのあなたの苦闘を優しく癒してくれるはずです。

以下の記事では、いま土星がもたらしている試練を星座タイプ別にお伝えします。お伝えしたように、土星は3月7日に次の星座である魚座へと移動します。その時、あなたがこの2、3年直面してきた苦闘は終わりを迎えることになります。

以下では、過去と現在、ふたつの章にわけて、土星があなたに与える運命『試練』をお伝えしていきます。②の期間に苦労しながらも成し遂げたこと(それは自分でも気づいていない達成かもしれません)を土台として、①の現在の課題が生まれています。

①2020年12月から2023年3月7日までの期間、あなたが土星から受け取る課題。

②2017年12月から2020年12月までの約三年間、土星の試練のもとにあなたが成し遂げたこと。

特に、①と②をあなたのなかでひとつのストーリーとして読み取ることがとても大切です。②を土台として、①の課題を読み取るよう解釈してみてください。

お伝えしたとおり、土星は2023年3月7日に次の星座・魚座へと移動します。あなたの試練が終わりを迎えるときです。そのときこそ、①の課題によってあなたがいま受けている苦しみは昇華され、これからの人生の「基盤」となり、さらなる未来へと繋がっていくのです。試練の終わりはまもなくやってきます。いま苦しいことがあっても、その苦しみを未来へと繋げていこうと考えるべきです。

【①2020年12月から2023年3月7日までの期間、あなたが土星から受け取る課題】

2020年末から2023年3月までの二年半、土星はあなたの「日常」に影響を与えていきます。この期間はあなたの日常をアップデートしていくことが課題となっているのです。そして、これはあなたが社会に開かれていくにあたり、安定した自分を作り上げる期間ということができます。もちろん、あなたはすでに社会に関わっているのですが、より広くて大きい社会に関わっていくために日常レベルを変革していく期間となるのです。たとえば、試用期間や研修期間のように自分を試されることがあります。それは本格的な実務の世界にどっぷり浸かる前の下積みと考えてもよく、この時期に反復して学んだことは骨の髄にまで染み込み、その後の働き方や生き方を支えてくれることになります。ときには成果の出ない(実入りのない)状態に苦しむこともあるでしょうが、そこで投げ出すことなく、あなた自身が納得するか、自分のスタイルを確立するまで突き詰めてみてください。それは徐々に、年月をかけて認められていくことになります。

以上、あまりワクワクしない予想ですか? まずお伝えしたいのですが、土星は長いサイクルで人々を成長させていく星なので、その影響はジワリと人々に染み込んでいくものです。だから、毎日の生活ではその影響を実感しにくくなっています。こういったゆっくりとした土星の働きのうえにも、金星が恋愛を運んでくれたり、木星が幸福を運んでくれたりとさまざまなハッピーは降りかかってきます。だからこの二、三年、地味な研修期間が続いていくというのではまったくないのです。