翌日、デリルは日本政府との交渉に備え比較的ゆったりとシャロンの部屋で過ごしていた。
「とうとう明日ね・・・・あなたなら大丈夫よ。」
「あぁ・・・・少し自分の部屋に戻って中澤と明日の準備をしてくるよ。」
そう言って7階のミーティングルームに向かうデリルをシャロンは”すねた表情”で見送る。
「自分の部屋って・・・・新婚なのに。こういうところは地球人を見習って欲しいものね・・・。」
そう言ってデリルの姿が見えなくなるまで見送った。
デリルが7階のフロアにつくとミーティングルームの前に誰か立っているのが見えた、アンリだ。
息を切らして座り込んでいるところを見ると今着いたばかりなのだろう。
「どうしたんだ、そんなに息を切らして実験で世紀の大発見でもしたのか?」
デリルが少し茶化すような言い方で声をかけアンリの顔を覗き込む。
だが、アンリのあまりにも深刻な表情を見たデリルは黙って部屋の扉を開けた。
「まずは汗を拭いてこれでも飲め。」
アンリにジャスミンティーとタオルを渡し、自分もジャスミンティーのペットボトルの蓋を開けて口に含んだ。
タオルで汗を拭き、喉を潤したアンリが口を開く。
「実は大変なことがわかりました・・・モルモットの排泄物に関する調査結果が出たのですが・・・!口から摂取したウランは排泄されると約125倍の放射能を有する液体、もしくは固体になるのです・・・。」
「125倍・・・・・モルモットの健康状態は?大丈夫なのか?」
「はい、2年以上続けると健康に被害が出る可能性がありますが・・・地球人でいうところの喫煙にあたる程度の影響です。」
「そうか・・・・この実験結果は誰にも口外するな。研究に携わった者に緘口令をひけ。」
「了解致しました。」
このときアンリは危険な実験結果だと考えていた・・・
だが、デリルにとっては最高の実験結果以外の何ものでもなかった。
【つづく】