・・・・アンリが死んで1年後・・・・
久しぶりに子会社を訪れたデリルはアンリと密談をしていた。
「どうだ、放射能は我々の体に異常をきたすか?」
ジャスミンティーを片手にデリルが質問する。
「そうですね・・・実は若干ですが影響があります、濃縮ウランなんかは体内に摂取し続けると10年以内に悪性の腫瘍ができる危険性が高まります・・・。」
そう報告しながらアンリは足元に視線を落とした。
「人体実験を行ったのか?」
アンリが首を縦に振りながら立ち上がって溜息をつく。
「それでいいんだ、問題ない。お前は間違っていないぞ。」
そう言いながら天井を見上げ、迷いを打ち消した。
迷いの原因は”健”が来月帰ってくることだ・・・・彼は今の体制をどう考えるだろうか、考え次第では組織でまた内紛が起きることも考えられる。
解決する手段はひとつだけあるが、それは恐ろしい方法だ。
・・・・健を暗殺してしまうこと、佐々木に命じれば明日には健は死ぬことになる。
デリルは健に関する思考を止めてアンリに指示を出した。
「いいか、特に問題はない。死者が出ても組織の産婦人科で処理すれば良い・・・政府にも手を回しておく。絶対に結果を出すんだ。」
そう言うと本社ビルへと向かう車に乗り込み、中澤に連絡した。
「ふたつ決断した・・・・すぐに通信室に来るんだ・・・。」
【つづく】