アンリが号令をかけると全員の動きが止まった。


牧野の首はもう無茶苦茶になっている、その首をリュウセイがつかんで”黒のビニール袋”に入れた。


「ここにいる者は全員、現体制に賛同したということで理解することにしよう。」


捕虜たちが皆、安堵の表情を浮かべたところでデリルが念を押す。


「だが忘れるな・・・・お前たちの命はまだ他の仲間と同じ価値を有しない、だから危険な任務を専門に携わってもらう。逃げたり、断った場合はお前たちの命はおろか家族の命も保障しない。」


もう捕虜たちは騒ぐことも下を見ることもなかった。


「あの・・・・・・・宜しいでしょうか・・・・・・。」


捕虜の中から一人の男が手をあげた、デリルが無言で指差し発言を許可する。


「その・・・もしも危険な任務で私が死んだ場合・・・・家族はどうなるのでしょうか・・?」


「任務で死ねば話は別だ、家族には殉職したことによる昇格を経た手当てを毎月支払おう。」


このデリルの言葉に男は深々と頭をさげた。


人を操るには追い込むだけ追い込んで少しだけ逃げ道を用意することが最も効率が良い、その逃げ道に向かって真っ直ぐ走らせるのだ。


「つまり、任務にさえついていれば当面は命を失う可能性も少ない・・・今から中澤が君らの初任務について発表する。」


数枚のレポート用紙を手に中澤が説明を始める。


それは逃げている反乱勢力二人の逮捕だった。


【つづく】