さくらが嬉しそうに、でもどこか申し訳なさそうに言った。
「ありがとう、でも本当にお言葉に甘えても良いのかしら。」
デリルは力強く頷いた。
「もちろんです。ただ、ひとりだけで結構ですので仲間の中で一番信用できる者を教えて下さい。」
さくらと健は中澤という体格の良い男を紹介してくれた。
中澤が恐る恐る自己紹介をする。
「私は4年前、地球の・・・ここ日本に遭難して空腹で死にそうなところを健さんに助けてもらい地球人と結婚しております。たっ助けてもらったときの恩は忘れておりません。」
デリルは冷酷な目で中澤を見据えながら刺すように問いただす。
「君の言っていることは矛盾しているな・・・・・恩を忘れていないなら、なぜ後継者を求めるさくらの声に応えなかった?おかしいじゃないか。」
中澤は顔を真っ赤にしながら土下座した。
「私に勇気が足りませんでした・・・。」
しばらく、沈黙が続いた。
さくらと健もデリルの演技だと思っていたが確信があるわけでもなく緊張が走る。
デリルが静かな口調で沈黙を破る。
【つづく】