手持ちのエルメスでどれかひとつだけ残せるとしたら、やはりカルヴィデュオかもしれません。かる田です。
↓カルヴィデュオが無事修理から戻ってきました。
戻ってきて気がついたことなのですが、
スナップを取り替えてもらって、めちゃくちゃしっかり留まるようになりました。
むしろ固いくらいです。
これくらいしっかりしていたら、小銭多すぎてすぐ弾け飛ぶなんてこともないでしょう。
最初のあの留まり具合とは一体…?とも思いますが…
そこでふと、車の今の担当整備士さんから数ヶ月前に伺った話を思い出しました。
(この時、プジョー※フランスの自動車メーカー の話をしていたのです)
ヨーロッパの外車は、日本車に比べるとよくトラブルが起こる。
ヨーロッパの環境(緯度的にフランスは北海道より北、寒く乾燥した環境)に合うようにつくられているから、日本のように高温湿潤な環境では電気系統も壊れやすい…ということもあるが、そもそも車をつくる際の考え方が違う。
「壊れたら直せばいい」という考え方でつくっているから、新車ほど何処かしら不具合が出る。
だから、実はあらかた不具合を直し終わった中古車が一番しっかりしているという話。
一方日本車は、壊れないように壊れないようにつくっているので、外車に比べるとトラブルは起きにくく安定感があるという話。
……これ、もしかしてエルメスにも通じる話かもしれない……?
そう言えば、今まで1〜2万円前後のおそらくメイド・イン・ジャパンと思わしき財布しか使ってこなかったのですが、よくよく考えるとスナップが弾け飛んだことなど一度もないのです。
どれだけボロボロになるまで使ったとしても。
一方、カルヴィデュオ。概ね8万円。(記事を書いている時点では値上げして約9万円)
1年せずに弾け飛ぶスナップ![]()
これだけ聞くと、
一体良いんだか悪いんだか……という話ではあるのですが。
日本という国はそれだけ信頼のおける基準でものをつくっているということと、フランスはフランスでリペアも込みで長く使うという価値観なのでしょう。
よくよく考えると、今まで財布を修理に出してまでまた使おうと思ったことなど、一度たりともありませんでした。
壊れたら捨てる。
あぁ、しょうがないか、これも一応消耗品だし。と。
(さすがに買ってすぐは問い合わせますが)
カルヴィデュオについては値段も大きく影響していますが、修理しか考えておらず。
エルメスならリペアしてもらえる、無下にはされないだろうしきっとまた使えるようにしてくれるという安心感。
まだ使いたいという気持ち(もうすぐ1年経ちますが、まだ新しい…ですよね!?)
なかなか買えるものでもないということもあるでしょう。
カルヴィデュオそのものも、この色も、この年に作られたものというのも何かの縁。
でも、1年以内にスナップが弾け飛ぶ(可能性もある)ことや修理しながら使い続けることに違和感を覚えるならばおそらくこの財布は向いていないのかもしれません。
もっと日本製で安くて壊れないコンパクト財布なんていくらでもありそうですからね…![]()
そう、コンパクトだけ見るならばいろんなところが出しているんです。
それでもエルメスにこだわるのは、最高品質ながらブランド主張のないシンプルでくどくないデザインが好みであったり、良いものを持ちたいという気持ちであったり、エルメスの素材やものづくりへのこだわり方や向き合い方に対するリスペクトのようなものがあるから。
もしカルヴィデュオの購入を検討中にこれを読まれる方がおられるとして、こういう修理しながら物を長く愛でる感覚にときめきを感じるのであれば、エルメス沼へ足先をつけたようなもの……ですよねぇ……
