嵐さんに寄せる想い~ここママの妄想小説

嵐さんに寄せる想い~ここママの妄想小説

嵐さんが大好き。
メンバー全員大好きですが、
特にも相葉くんに惹かれてやまない櫻葉erです。

自分から話しを振っといて、やっぱり聞きたくないと逃げ出したくせに


どこかに行ってしまうわけでも、どこかに隠れるわけでもなく、今こうして俺の隣りにいるんだから



素直でいい子……なんだよなぁ。



そんな甥っ子を、悲しませるつもりも追い詰めるつもりもないんだ。



「雅紀」


「……はい」


「これから俺が話すことを黙って聞いてくれるか?」


「…………」


膝の上に置いた両手をギュッと握り締め、雅紀は小さく頷いた。




「さっきも言ったけど、俺は姉さんを……

お前の母親を捨てたあの男を今でも許せない」


あんな男に出会わなければ

あんな男に惚れなければ

あんな男について行かなければ


もしかしたら、姉さんは……


今まで何度そう思ったかわからない。



「でもさ、俺が一番許せないのはあの男じゃない」


「えっ?」


「俺が一番許せないのは……俺自身だよ」




姉さんが俺達家族の反対を押し切ってあの男を追いかけ出て行った時、俺は姉さんに裏切られたと思った。


家族よりあの男を選んだことが許せなかった。



だから、姉さんを探さなかった。


心配だったけど、ずっと心配してたけど


俺達を裏切った姉さんが悪いんだって


早く目を覚まして、姉さんの方から戻って来ればいいんだって


そうしたら、いつでも迎えてやるのにって


そう思っていた。




「でも、結局俺は姉さんから連絡をもらうまで

何も知らなかったんだ」


姉さんがあの男と別れていたことも

たったひとりで雅紀を産み育てていたことも


俺は何も知らなかった。



「そんな自分が本当に許せないんだ」



あまりにも独りよがりだった自分のことが……







つづく