原作再現度の高さに加え、そもそもストーリーが皆無だった原作に違和感のない形で映画オリジナル要素を盛り込んだ名作...だと思います。
前半の右も左も分からないまま地下通路に迷い込み、四苦八苦しながら進む様はゲームのプレイヤーそのもの。
あえてなのか単純に相手がいないからなのか、主人公のセリフが少なく、ほとんど自然な独り言で進んでいきます。
後半からは登場人物も増えて会話も多くなってきますけど、それはそれで違う面白さがあります。
映画版で特に面白かったのが、8番出口の地下通路とは何なのか...というそもそもの疑問に対するアンサーが描かれてること。
直接的な描写こそないものの、本編を見た上で考察できるような構成になってます。
あの地下通路は何?
異変を見逃すとループするのは何故?
毎回おじさんが歩いてくる理由は?
今考えてみると、原作(ゲーム版)は何一つとして説明がないんですよね。
そこに物語を付け加えるのって結構怖いというか、慎重にならないといけない部分なんだと思うんですが、本作はかなり上手く作られてる感じがしました。
前回の夜勤事件が不満だらけの作品だったこともあって不安視してるところはありました。
少ないボリュームのインディーゲームを映画化しても成功するわけないでしょ...としか思えない。
ただ、周りの評判を見てないので本作が成功したのかどうかは知りませんが、少なくとも僕は感銘を受けました。
本編を通して何かが大きく変わるわけではないんですよ。
世界を破壊しようと企む敵がいて、神に選ばれた勇者が立ち向かうとか、そんな大層なスケールじゃない。
ただ迷い込んだ地下通路から出るだけ。
でも、主人公はちょっとだけ成長する。
そこには強いメッセージ性があって、それをどう受け取るかが楽しい。
またいつか観たいと思える映画でした。