環境を整えつつ、静かに見守る日々が続く。

秋風も少し吹くようになった9月のある日、

新しく出来た音楽堂に友人からチケットをいただき、親子でお出かけしてみた。

友人は永らくお琴の世界に身を置き、その日は大合奏をするという事で、初めてお琴の大合奏を聴いた。


日本の曲もあれば、クラシック音楽もあり、

たしか、ドビュッシーの曲を何曲か聴いた。

耳馴染みのある曲が和楽器で演奏されるという異次元の世界を目の当たりにして親子で感動したものだ。


その後、地下にある小ホームで浜松からやってきたいろんなピアノの展覧会をしているので見学にいった。

チェンバロやモーツァルト、ベートーヴェンが生きていた時代のピアノもあり、次女も興味深く視ていた。

その中央にベーゼンドルファーインペリアルの150年ほど昔の彫刻も華麗なピアノがあり、

足を止めて興味深く視ていたところ、係の人が

「よかったら弾いてみませんか?」と声をかけてくださった。

普段なら尻込みをするタイプだけれど、その日はスッとピアノの前に座り、今練習している盛りのリストのエチュードを弾いた。

10人程の観客だったが、盛大に拍手をいただいた。

実は持ち主だったという声をかけてくれた方が、

「ずっと、続けてね」と言ってくださった。

後日、ピアノのお写真まで郵送くださり、感激したものだ。


普段は拍手の無いコンクールの世界で闘うピアノを弾いていた次女。

人々のあたたかい励ましで、ピアノの世界の違う一面をみたようだった。