「ぼくの希望・・・・・」 | 「もう許さない(殺処分0を目指して)」

「ぼくの希望・・・・・」





ここゎどこ…?なんでボクゎこんな四角い檻の中にいるんだろう…?   

ボクゎハスキー犬のJ。ボクの面倒を見てくれてたご主人様がボクをここに連れてきてくれたんだ。
ボクがご主人様にとって あんまり良い子ぢゃなかったみたいで「いらない」って言われちゃったんだ…。

 周りに他の子たちがいっぱいいて、寂しそうな声で鳴いてる…。
ここでゎボクや、他の子たちにどんな運命が待ち受けてるんだろう?
    ◆◆◆
 そこに連れて来られてから、数日が経った頃、ある人がボクの檻の前に立って、
面倒を見てくれてたおじさんにこう言ったんだ…。 
「これハスキー犬かい?これにするよ」その一言でボクゎその檻から出る事が出来たんだ!

 おじさんゎボクを車に乗せて新しいお家に連れてってくれた。
これでボクゎ今までと変わらない生活を送る事が出来るって思ってたし、信じてたんだ…。


 それからしばらくゎボクにとって平穏な日々が続いた。
ご飯ゎきちんともらえるし、散歩にだって連れてってくれる。
 お家のなかったにゎ入れてもらえなかったけど、ボク専用のお家をもらって、
そこでの生活をボクなりに満喫してたんだけど…。


 おじさんがボクを車にのせて、どこかへ連れて行こうとしたんだ。
おばさんも一緒だったから、どこかに遊びに連れて行ってもらえると思ってボクゎ喜んだんだ。
 ボクが連れて来られたのゎ、みたこともない山の中で、
今までのお散歩コースの中でも行った事がない所だったんだ! 

ここでならおもいっきり走れる?と思ってボクゎ大興奮! 
車から降ろされた瞬間、おじさんゎボクにこう言った 
「お前みたいなバカ犬帰って来るな!」


 ボクゎおじさんの車を追いかけた。本当に一生懸命追いかけたんだけど、間に合わなかった…。
おじさんゎそのまま行ってしまった。おじさんゎなんて言ったんだろう…。
後で迎えに来てくれるのかな?

 いつまで待ってもおじさんゎ迎えに来てくれないから、
ボクゎ自分の力でお家に帰ろうとして頑張ったんだ!


 どれくらいの日が経ったんだろう?お腹も空いたし、喉も乾いた…。 
でもなんだか見覚えのある風景だって事に気付いた。ボクのお家の近くだ! 
そう、あの角をまがってちょっと歩けば…。ボクゎ久しぶりにお家に帰って来たんだ! 
大きな声で「ただいま」って言ってみた。おじさんが出て来て「帰って来たのか?」って言った後で、
おばさんに「もう少し飼ってみるか?」って言ってご飯をくれたんだ。
すっごく久しぶりのご飯!お腹一杯にたべて、久しぶりにゆっくり眠る事が出来たよ。



 それから一週間が過ぎ、台風がボクのお家を襲ったんだ。
ガタガタ音がすごいし、雨もすごく入って来て、ボクゎ恐くて仕方がなかったから、
「恐いよ」ってなんどか訴えてみたんだ。 
そしたら、おじさんがお家の玄関に入れてくれたよ。
でも、雷の音が恐くて、ボクゎおもらしをしてしまった。
それを見つけたおじさんが、怒ってボクを車に連れて行ったんだ。


 ボクのお散歩コースにもなっている川の橋の上に車を停めて、
ボクを車からだすと、そのまま川にボクを投げ込んだ…。

 ボクゎ溺れないように、必死で泳ぐんだけど、
台風で風が強いから、思うよいに泳げないんだ。 
 おじさんゎいつの間にかいなくなってた…。


 ボクゎ必死で川岸に泳ぎ着いたんだ。ビショビショになりながら、
ボクゎしばらく呆然として動く事が出来なかった。 
でもボクにゎ帰る場所ゎひとつしかないから、またお家に向かって歩き続けたんだ。
 今度ゎすぐにお家に帰る事が出来たんだよ。


 お家に辿り着いて、冷たい身体を震わせていたボクを見つけたおじさんゎ、
またボクを車に乗せた…。


 連れて来られたのゎ、おじさんと一番最初に会った四角い檻がある所だったんだ。
 またボクゎここに戻って来てしまった。 この間ここにいた子たちゎ もういなかった…。
 あの時とゎ別の子たちが、運命を悟ったような、悲しい声で鳴いている…。  


でもボクゎもう鳴かなかった。  
ボクの声ゎ届かない事を知ってしまったから…。

    ◆◆◆

 ボクゎお家に帰って来た事をただ誉めてもらいたかっただけなのに…。


 家族になりたかっただけなのに…。


 ボクゎただ、ほんの少し幸せになりたかっただけなのに…。


 ボクの一生ゎ一年と八ヶ月で終わってしまった。


   ------ある犬雑誌より(ハスキーがペットとして全盛だった頃の実話だそうです)-----



犬には基本的にまっすぐな気持ちしかありません。 

 自分の気持ちはまっすぐだろうか?  

真実を自分の目で耳で確かめてから行動しているだろうか?   

周囲のうわさ話しに惑わされていないだろうか?  

あなたはどうですか?