自分の思い込みの中だけで生きている人の事を、
”寝た子”と例える事があります。
その反対の、
現実を直視出来ている人を、
”目覚めた人”と例えます。
”寝た子は起こすな理論”
とは、
自分の思い込みだけで生きている人に対し、
現実を突きつけてはいけない
という意味なんですね。
「もう、現実を直視出来ないほどに弱っているから、
そのままにしておいてあげましょう。」
一見優しいようで、実はとても残酷な言葉です。
しかし、もう今更どうしようも無い、
と言うのも、これもまた事実。
ではなぜそうなってしまうのか?
と言えば、
”寝た子”になってしまった人は、
様々な事象の”プロセス”を観察できなかったからです。
会社の上司になったことが無いまま、歳を取った人は、
上司がどうやってそこまで登りつめたかのプロセスを見ていません。
中高生は、
親がどうやって、子供達を育ててきたかのプロセスを見ていません。
野球をろくにやったことのない人は、
プロ野球選手がどうやって、その位置に登りつめたかのプロセスを見ていません。
だから軽々に、
上司を、親を、プロ野球選手を、
バカに出来るのです。
プロセスを見ていないから、
見方が軽いのです。
心のどこかで、
「俺だって、ちょっと頑張りゃそこまで行けるよ。」
と思ってしまっているのです。
これが、多くの人が、
”寝た子”になってしまう原因です。
残念なことではありますが、
プロセスを見れないまま育ってしまった人は、
批判や否定を繰り返すだけの、”寝た子”になっていくのです。
”寝た子”にはもう、
現実を直視する強さは残っていない。
下手に起こせば、
不機嫌になり周囲に迷惑をかけるだけ。
本人も辛いでしょう。
ですから、
そっと布団を掛けてあげる
”偽りの優しさ”が必要なのかも知れません。