昨日の夜、満月が綺麗だよ〜ってインスタのフォロワーさんが写真をアップしてて、ちょっと見てみようかなって真夜中に外へ出てみました

 

わぁ〜うちの屋根のすぐ隣に満月が!

電線が写り込まないように何枚か撮ってみたら なんとオリオン座までハッキリ写ってるじゃないですか!

 

iPhone 凄いなぁ〜って感動しちゃいました

スマホのカメラがいつの間にかこんなに性能が良くなっていたなんて、あまり夜空を撮る事がないので気づきませんでした

 

 

部屋に戻って窓から見上げてもそこに月が見えました

 

日本中の、いや世界中の人がこのおんなじ月を見てるんだなぁ〜なんて、よく聞くフレーズだけどやっぱりその言葉通りの感想を持ってしまったりして

 

そういえばもう数年前になるけど、北海道に大きな地震があってブラックアウトで道内全域で停電になった事があったのをふと思い出しました

 

確か巨大な発電所がショートしたからだったか、

北海道の電気が全部消えて真っ暗闇になるなんて あの時映画の世界みたいな事が起きたんですよね

色々不便な事はあったけど でも気づかされた事もたくさんありました

 

携帯の充電は近くのコミュニティセンターで電気を引っ張ってくれていてそこで出来たり、自分の家の車で充電したりする人も居たりで、案外スムーズにみんなと連絡を取り合う事が出来て LINEもインスタも普段通り使えたので、道外の知り合いや kaeちゃんや何人かの方が心配してメッセージをくれたりしました

 

停電の夜って家の中は想像以上に真っ暗なんですよね、だからやる事がなければさっさと布団に入ろうって感じになっちゃって、つくづく電気がなければ人間は何にも出来なくなっちゃうんだなぁって痛感しました

 

気づくと 何となく外に出ていたんです

 

そしたら近所の人たちもみんな外で空を見てました

お互いに待ち合わせた訳でもないのでちょっと驚いて、そしてみんなで口をあんぐり開けて星空を眺めていました

 

あの時 透き通る夜空が本当〜に綺麗だったんです

生まれてから一度も こんな星空を見た事がありませんでした

 

宇宙の方がこの世界より明るくて

星ってこんなにたくさんあったんだなぁって

星座も見分けられない程の数で輝いていました

 

そして携帯の通知音が鳴って 読んでみると

「星がめちゃくちゃ綺麗だからちょっと見て」っていう、次々と同じ内容のLINEが届いて面白かったんですよね

 

あの日 物凄くたくさんの人が きっと同じ気持ちで星空や月を見てたんだなぁ~って

今でも思い出します

 

それからしばらく経って…

 

2022年11月8日 皆既月食&天王星食の日

 

私達は442年振りという珍しい天体ショーを一緒に見る事が出来ました

 

それはカールが天国へ旅立つ4日前でした

 

 

そして旅立ちの前日も私達は一緒に最後の月を見る事が出来ました

 
11日から12日に日付が変わる深夜
ドアの外に月が見えたので しばらくふたりでその月明りに当たっていました
 
 

 

カールは肺がもう殆ど空気を取り込めなくなっていたので、空気の流れがあると呼吸が少しだけ楽になるみたいで最後の数日は昼も夜も玄関で過ごしました

 

ドアを開け風を入れて 空気の流れを作る、でも寒くないかなって

 

幸い11月にしてはあたたかい日々が続いて

柔らかく心地よい風がこの時 私達にとても優しく流れてきて

これなら大丈夫って、2人で玄関に敷いた布団で一緒に眠りました

 

 

 

なんでかなぁ この瞬間私、すごく幸せだなぁって思っていました

幸福感てこんな時にも感じられるんだなぁって・・・

 

これから間もなく大事なこの子との永遠の別れが来るっていうのに

なんでこんなに幸せなんだろうなぁって不思議に思っていました

 

それに別れまでの1週間は誰かがくれた贈り物みたいな日々だったんです

カールは呼吸はとても辛かった筈なのに見てるとその表情は笑顔ばかりでした

 

これは神様からのプレゼントかな 

それとももんぷかモモちゃんか、チタンからかなって思っていました

 

旅立つ前日の朝と昼は、ふらふらとしながらも体を起こして自分の足で立ちあがって水を飲み、柔らかくふやかした鹿肉ジャーキーをパクパク食べ、ヨーグルトやクッキーを美味しそうに舐めたりしました

 

 

カールにケーキをって 送ってくれたあんぱん母さんの”魔法のシフォン”も

しっかりと味わう事が出来たのには私自身も感動でした

 

 

11月11日、旅立ちの前日の朝は立ち上がって自分でお水も飲みました

この水の皿は私の手作りの陶芸作品で

カールの”K”が入った世界にひとつの器なんです

 

 

鹿肉ジャーキーは硬いままは食べられなくて水でふやかすと食べられました

 

 

カメラを向けるといつもにっこりしてくれて

「そろそろ天国に出発するね」って思いながら笑ってたのかな・・・って

 

 

旅立つ2日前も3日前も4日前も こんなに愛らしい

たくさんの笑顔を見せながら過ごしてくれました

”サモエドスマイル”を持つ母から生まれた息子の最高の笑顔でした

 

 

愛しい15歳7ヶ月の笑顔

 

 

「ねぇカール、楽しかったかい?幸せだったかい?」

 

 

あなたに出会えて私は最高に嬉しかった

一生忘れられない時間を残してくれてありがとう!!

 

 

旅立つわずか30分前のこの笑顔は カールの集大成だと思いました

 

「ボクの生きた生涯に悔いなんかないよ」って そう言ってくれてるみたいで

 

こんな笑顔が出来るわが子が誇らしくて、本当は私には勿体ないくらいでしたが

天が預けてくれた事に心から感謝でいっぱいです

 

 

 

そうそう、昨日スマホで撮った夜空に

オリオン座の星々があんなにくっきりと写っていたから

 

もしかするとそのうち 天国も写せるようになって

虹の橋で待ってるこの子達も写るかもしれませんよね~

 

やすきち&カール(2007.4.9~2022.11.12 15歳7か月)