午後の講義が終わったあと、私は官邸のSPルームにきていた。
昴さんの仕事が終わってから、次のお休みの予定を立てるために一緒に帰る予定だった。
そら「いいなー、昴さん。なおちゃんとプチ旅行ですか?」
昴「久しぶりに3日間連続の休みがとれたんだよ。
温泉とかもいいよな。…な?なお」
なお「はい。前に温泉に行ったのは桂木班の慰安旅行の時でしたね。
楽しかったですよね」
海司「旅行は大勢で行った方が楽しいんじゃないっスか?
どうせなら、みんなの休みを合わせて…」
昴「ばーか。二人っきりの旅行を邪魔させるかよ」
昴さんが私の肩を抱き寄せる。
瑞貴「それじゃあ、お土産くらい期待してもいいですか?」
なお「はい。おいしそうなお菓子とか、
ご当地名物とか探しておきますね」
桂木「昴、休暇中とはいえ、羽目を外し過ぎるなよ」
昴「言われなくても、わかってますよ」
そら「いいなぁ~、恋人と二人きりで旅行とか…。
癒されるよな~…」
瑞貴「そらさんの場合、羽目外しすぎて何か問題の一つや二つ起こしそうですけどね」
海司「それか、酔って朝まで爆睡コースっすね」
そら「お前らなぁ…。
そうそう、なおちゃん、温泉だったらこの雑誌に…」
そらさんが旅行特集の載っている雑誌をテーブルにのせると、SPルームのドアがノックされた。
石神・後藤
「失礼します」
入ってきたのは公安の石神さんと後藤さんだった。
昴「お前らがSPルームにくるなんて、めずらしいな」
石神「桂木さんに届ける書類があってな。
桂木さん、こちらをお願いします」
桂木「わざわざ、寄ってもらって悪かったな」
石神「いえ、私たちも官邸に用事がありましたから」
そら「あ、なーんか引っ掛かると思ったら、そうだ!」
そらさんが石神さんと後藤さんの顔を見て、ぽんっと手を叩いた。
桂木「石神と後藤に用事でもあるのか?」
そら「いや、そーじゃなくて、知ってます?
警察庁&警視庁合同イイ男ランキング、
略してKKM選挙!」
なお「略してKKMって…Kは警察庁と警視庁ですよね…?Mは…」
瑞貴「メンズじゃないですか?」
なお「あ、なるほど」
そら「そうそう、瑞貴、正解。
婦警さんの間で行われてた警察庁と警視庁の
イイ男ランキングがこの間、発表されたんですよ」
桂木「そら…お前、そーいう情報をどこで手に入れてくるんだ?」
そら「トクベツな情報網があるんですよ。オレくらいモテモテになると…」
昴「へぇ…ってことは、当然、ランキング1位はお前だったんだろ?」
って、ホントは自分が1位だって分かってるくせに( ´艸`)
そら「…これだから、昴さんは…」
ニヤリと笑った昴さんをそらさんがブスっとした顔で見つめる。
石神「まったく、くだらないな。
第一、どうして私達の顔を見て、そんなことを思い出すんだ」
そら「言いたくないけど…
そのランキング第一位が昴さんで、
二位が後藤だったんだよ」
私はこの二人に順位をつけがたい
←聞いてねー
←聞いてねー海司「それじゃ、人気ツートップがここにいるってことっスか」
後藤「…興味ないな」
昴「はは、負け惜しみか?ま、オレが後藤に負けるワケねーな」
後藤「フン。お前みたいに年がら年中へらへらしていれば、
女の機嫌もとれるだろう」
昴「は?だれが女の機嫌をとってるって?
オレはフツーにしてるだけだっつの」
いい加減みんな慣れてきたのか、昴さんと後藤さんの口論を気にも留めていない。
なお「あの、お二人とも…」
後藤「なお、こんな軽薄な男はやめておけ」
なお「えっ」
後藤さんが私を振り返る。
すると、昴さんが私の手をひいて肩を抱き寄せた。
昴「こんな男がいいんだよ、なおは。な?」
んー、後藤さんもいいんだよな

A:はい
B:そうでもない
C:恥ずかしいです
なお「は、はい…」
そら「あーあ…見せつけてくれちゃって…」
後藤「なおに愛想を尽かされないように、せいぜい努力するんだな」
石神「つまらない話はそこまでにして、行くぞ。後藤」
後藤「はい」
昴「石神、お前が何位だったか、あとで教えてやろーか?」
石神さんはそんなのに興味ないよー。
もういいから、とりあえず早く二人になろうよ( ´(ェ)`)←いらち
石神「必要ない。オレは別の意味で、お前の上にいるからな」
そう言うと、石神さんたちはSPルームを出ていく。
昴「嫌味なヤツだな。石神なんか、近いうちに超えてやるっつの」
(別の意味でって…そっか、出世のことだったんだ。でも、昴さんは…)
以前、昴さんはお父さんから、もっと上にいきたければ警備部を出るべきだと言われていた。
けれど、昴さんは桂木さんを超えるまでは…と、その話を断っていたことを思い出す。
昴「もうこんな時間か。そろそろ行くか、なお」
なお「はい」
そら「あ、なおちゃん、この雑誌持ってって。
行楽情報いっぱい載ってるから」
なお「ありがとうございます」
海司「気をつけて帰れよ…って、昴さんがいるから平気か」
瑞貴「楽しい旅行計画が立てられるといいですね」
桂木「何か困ったことがあったら、いつでもご相談ください」
なお「はい。ありがとうございます」
昴「オレがついてるんですから、何の心配もいらないですよ。
じゃあ、お疲れさまでした」
みんなに軽く頭を下げて、私は昴さんと一緒にSPルームをあとにした。
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今日は私の部屋で昴さんが夕食を作ってくれた。
食後のコーヒーを飲みながら、旅行の計画を立てている。
昴「そらがくれた雑誌、なかなか役に立つな。
部屋に露天風呂がついてる温泉特集とかあるし」
なお「わあ…この旅館、温泉から紅葉が一望できるみたいですよ」
昴「『森のクマさんホテル』か。
なおと一緒に温泉につかりながら、紅葉狩りもいいな」
なお「一緒にって…一緒に入るんですか…?」
昴「そーじゃなけりゃ、貸し切りの風呂がついてる意味ねーだろ?」
なお「それは…そうですけど…」
昴「まだ、恥ずかしいのか?そーいうの」
(昴さんと一緒にお風呂なんて…何回入っても、慣れないよ…)
頷いた私を昴さんは抱き寄せる。
昴「顔真っ赤にしてんじゃねぇよ。
そーいうとこ見せられると、休み中、
ずーっとベッドの中で可愛がってやりたくなるだろ」
むしろ、それ大歓迎(´∀`)温泉じゃなくてそれにしよう♪
なお「旅行、やめちゃうんですか?」
昴「んー…」
昴さんが私の耳元に唇を寄せた時…
ソファに置いてあった昴さんの上着からバイブ音が聞こえてきた。
なんだよー。いいとこ邪魔しないでよo(TωT )
なお「電話ですか…?」
昴「誰だよ、こんな時に。
緊急の用事じゃなかったら、速攻で切ってやる」
不満そうな顔で電話をとった昴さんだったけれど、通話ボタンを押して表情が変わった。
昴「父さん…ああ、元気にしてるけど…」
(昴さんのお父さんから電話!?)
昴「ああ…え?その日はちょっと…。うん、ああ、わかった」
短いやりとりで電話を切った昴さんは大きく溜息をついた。
なお「何かありましたか?」
昴「そーいうワケじゃねーんだけど…。
次の休みは親戚が実家に集まるから、オレも来るように言われた」
なお「それじゃ…旅行は延期ですね」
昴「そうだな…親父には借りもあるから、無視もできねーしな…」
なお「ちょっと残念だけど…せっかくの機会ですから、
行ってきてください」
あぁ、クマさんホテルで昴さんとの甘い時間が…( ´(ェ)`)
昴「なに言ってんだ?お前も一緒に行くに決まってんだろ」
なお「え!?」
昴「近いうちに親戚にも紹介しなくちゃいけねーと思ってたし、
ちょうどいい機会だ」
なお「でも…」
昴「お前はもうだたの恋人じゃないんだ。婚約者だろ?」
ちなみに、結婚は年内ですか?(о´∀`о)ノブライダル編、そらの次にシルエットだけ公開されてるけど、アレは昴さんだよね?
なお「は、はい…」
左手の薬指にはめられた指輪を見つめる。
(昴さんの婚約者…いまでも夢みたいって思っちゃう…)
昴「会わせたいのもいるしな」
なお「え?」
(会わせたい人…?昴さんの父さんには、もうお会いしてるし…)
昴「あ、あと…言っとくけど、ウチの親戚の言葉は気にしなくてもいいから」
なお「それって…どういう意味ですか?」
昴「ま、あとでわかる。それより…」
昴さんは手を伸ばすと、私を後ろから抱きしめてソファに沈む。
なお「昴さん…?」
昴「次の休みがダメになったんだ。
その分、今日はお前を独り占めさせろよ」
なお「んっ…」
昴「今夜は寝かせねえからな。覚悟しとけよ」
今夜だけなの?(´・ω・`)
そう言うと、昴さんはさっきの続きだとでも言うように…首筋にそっと口づけを落とした。
後編へ

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