年収倍率は常識とされる数字や不動産屋の説明を信じてはいけない

一般的な住宅ローンモデルでは、年収の6倍から7倍までの借入額が返済可能とされています。しかし、これはあくまで目安であり、個人の状況によって適正な倍率は異なります。

不動産屋の中には、年収倍率を高く見積もって顧客にローンを組ませようとするケースもあります。そのため、年収倍率は鵜呑みにせず、自身の状況に合わせて慎重に判断することが重要です。

 

そもそも年収倍率とは何か?

年収倍率とは、住宅ローンの借入額を年収で割った数値です。例えば、年収500万円で3000万円のローンを組む場合、年収倍率は6となります。

年収倍率は、住宅ローンの返済負担を判断する指標の一つとして利用されます。しかし、年収倍率は返済比率と異なり、返済にどの程度の割合の収入を使うのかを示すものではありません。

 

一般にどのように説明されているか

一般的な住宅ローンモデルでは、年収の6倍から7倍までの借入額が返済可能とされています。これは、返済比率が30%以下であれば返済負担が大きくなりすぎないという目安に基づいています。

しかし、返済比率は年収倍率と異なり、返済にどの程度の割合の収入を使うのかを示す指標です。そのため、年収倍率が6倍だからといって、必ずしも返済比率が30%以下になるとは限りません。

 

上記の一般論が間違っている理由(実はそんなに借りたら返済が大変)

年収倍率6倍から7倍という目安は、あくまで一般的な数値であり、個人の状況によって適正な倍率は異なります。

例えば、以下の場合は、年収倍率6倍から7倍でも返済負担が大きくなりすぎる可能性があります。

  • 子供の教育費や老後資金などの将来の出費が多い場合
  • 住宅ローン以外の借入がある場合
  • ボーナスが少ない場合
  • 収入が不安定な場合

年収倍率の正しい考え方

年収倍率はあくまでも目安であり、個人の状況に合わせて慎重に判断することが重要です。

住宅ローンを組む前に、以下の点を考慮して、自身の適正な年収倍率を検討しましょう。

  • 返済比率
  • 将来の出費
  • その他の借入
  • 収入の安定性
そもそも、銀行や不動産屋は「住宅ローンの年収倍率は6~7倍まで大丈夫」といいますが、そんなに画一的に決めきれるものではありません。
 
たとえば、住宅金融支援機構の発表によると、中古マンションを購入した人の年収倍率は平均で5.9倍、中古戸建てを購入した人の年収倍率は平均で5.7倍です(「2022年度 フラット35利用者調査」)。
 
つまり、もっと低い返済倍率に抑えている人もたくさんいるということです。
 

まとめ

年収倍率は、住宅ローンの返済負担を判断する指標の一つとして利用できます。しかし、年収倍率は鵜呑みにせず、自身の状況に合わせて慎重に判断することが重要です。

住宅ローンを組む前に、返済比率だけでなく、将来の出費などを考慮して、自身の適正な年収倍率を検討しましょう。