娘の引越しで金沢に行った以外、ほぼ3ヶ月どこにも出かけず家にじっとしていましたが、梅雨入り前のピーカン天気に誘われて、先週の土曜日に岐阜県の谷汲山華厳寺まで行ってきました。
2013年からはじめて足掛け7年、嫁さんとふたりで続けてきた西国三十三所のお参りの旅は、リーチがかかってから1年以上かかってしまいましたが、この三十三番札所の岐阜県の谷汲山でようやく満願成就となりました。
子供の頃から、お盆の時には西国三十三所の御詠歌を家族で謳って、ご先祖さまを送る習慣で育ってきているので、あまり深い意味もなく、そんな御詠歌の札所を巡ってみたいなと思うようになりました。
スタンプラリーみたいな感じですかね。
嫁さんの両親も満願成就を遂げており、子供が大きくなったら、夫婦で巡ろうと話していましたが、7年もかかるとは思っていませんでした。
谷汲山まで名神高速と東海環状道でちょうど2時間で到着。
まだ花冷えの季節から巣ごもりを経て、タイムスリップして、すっかり汗ばむ青空と新緑の季節にやって来た感じです。
新しい生活習慣がはじまり、好天に恵まれたためか、思ったよりも参拝客が多かったです。
青もみじの並木の続く参道を歩いていくと、山門の大きなわらじと運慶作の仁王さまがお出迎え。
お年寄りや足の不自由な方用に長い参道を、インドのオートリキシャー風三輪車が送り迎えをしてくれます。
山門を抜けて石段を上って華厳寺本堂へ。
巡礼最後の観音さまにお参りしてから、最後の御朱印を授かりました。
最後の札所である谷汲山は御詠歌も3つあって、それぞれ現在、過去、未来を表しているそうな。そして御朱印も3つ。
ボクと嫁さんと貫太の「おいずる」(巡礼着)と御朱印帳にそれぞれ3つの御朱印を捺して頂きました。
・・・そしてお値段も3倍です。
昔は御朱印に染まったおいずるを最後の谷汲山に奉納するのが習わしだったそうですが、近年は持ち帰る人が多く、死装束として棺桶に納める習慣もあります。
親としてとても複雑ですが、貫太を先に送る覚悟を持って、御朱印を捺してもらいました。
本堂の奥には満願堂という御堂があり、たくさんのタヌキの石像が並んでいました。
満願成就した人は、他人より抜きん出ている「他抜き」という語呂合わせらしいです。
帰りに本堂の両脇の柱の「精進落としの鯉」を撫でて、お寺を後にしました。そしてちゃんと手洗いもしました。
この「精進落としの鯉」には、精進尽くした巡礼の旅を終えて、俗世間に戻るという意味があるそうです。
左右の鯉が阿吽になっています。
長いコロナ自粛、巣ごもりの修行のような生活から、新しい様式の生活に移るには、ちょうどぴったりの意味のように思います。
「プレッシャーかけへんか?」とのボクの声も気にせず、嫁さんは、娘に子宝、息子に良縁の御守りを買っていました。
帰りの参道の食堂で久しぶりの外食。
ほとんどオープンテラスのようなテーブルで、ボクはしいたけ丼、嫁さんはしいたけそばを食べました。
椎茸が名物のようです。
肉厚ジューシーな椎茸は出汁の旨味がたっぷりでした。
ソーシャルディスタンスを確保して、三密を避けながらも久しぶりの遠出に、ボクも嫁さんもリフレッシュ出来ました。
おまけ。
薔薇とおじさんとおばさん。