週末、休みで昼過ぎまでパジャマでダラダラと過ごしていた娘が、ヒマやし、どっか行きたいと言うので、最近ちょくちょくテレビでも取り上げられている、鈴虫寺の説法でも聴きに行こかと提案。
ネットで調べたら、説法は特に予約は不要、お寺は5時で閉門。入門が4時半まで。時期によっては混雑して行列ができるみたい。
入れない可能性もあるかもと思いつつ、とりあえず行ってみることに。
只今3時半。歯磨きもしていない娘を急かして、なんとか4時過ぎには鈴虫寺の駐車場に到着。
京都西山の端っこの我が家からは比較的近いのです。
鈴虫寺は通称で、正式には妙徳山華厳寺という禅寺です。
ボクは独身の時に、鈴虫寺に歩いていけるところに住んでいましたが、鈴虫寺に来たのは初めて。小さなお寺です。
この先には苔寺と呼ばれる世界遺産の西芳寺もあり、こちらの参拝は完全予約制。
説法は4時半からが最終。80段の石段上ると小さな山門の前には2、3組が並んでいる程度。
青もみじが清々しい。
その後、ずらずらと並び出して、あっという間に20組くらいが石段の中腹まで。
前の組が終わって、書院に案内されました。
志納料として500円を納めます。
娘は財布を持ってきていないとニコニコ。仕方なく娘の分もお支払い。
中に入ると、8つほどのガラス張りの木箱に鈴虫が入っていて、リ〜ンリ〜ンと騒がしい。
でもとてもイイ音色。
何代目かの和尚さんが鈴虫の音とともに開眼したことから、一年中鈴虫の音色を聴けるようにお寺で鈴虫を育ててきたそうです。
今はエアコンで温度管理をして、各季節を再現した部屋で鈴虫を育てており、書院で鳴いているのは、その中の約3,000匹ほど。季節が変わると次に成虫になった鈴虫が書院にやってくる仕組です。
オスだけが求愛行動として鳴き、メスが卵を産むと100日ほどで一生を終えるそうです。
儚い命だけれど、そうやって命を繋いでいくことの大切さを教えてくれる鈴虫・・・
鈴虫寺と呼ばれる所以です。
書院ではお菓子の「寿々むし」とお茶のおもてなし。
この日は書院の2~3割程度を埋めるのお客さん。
空いてました。
団体さんが来ると一気に満員になりそう。
やがて住職の説法がはじまります。
前半はお寺の縁起とお参りの作法などについて。
このお寺は説法がメインではなく、山門横に御座します「幸福地蔵菩薩」にお参りするのが目的で来られる方が多いそうな。
幸福地蔵は一願成就のお地蔵さん。
ひとつだけお願いごとを聞いてくれます。
わらじを履いた珍しいお地蔵さんで、そのお願いごとを叶えに一軒一軒訪れて下さるらしい。
そのため、お願いごとをする前には、必ず住所と名前を伝えなければならないそうです。
そしてお願いごとをするためには300円の御守を授からねばなりません。
お願いが叶うと、御守を返して、新たな御守でまた一願。これで全国からリピーターが増えるそうです。
でも家内安全、商売繁盛、厄除けには御守は効かず。御札をお求め下さいとのこと。
説法から、御守、御札、御朱印への一連の流れとリピーターの確保。しっかりとしたビジネスプラットフォームが完成されており、鈴虫寺の商売繁盛を支えているようです。
前半は、そんな商売上手なキナ臭さを感じながらも、後半はまあまあ良いお話をされていました。
仕事や学校などで、「ここは自分の居場所じゃない!」なんて思うことは多々あることですが、違う場所に移るにしても、そのときには必ず「種」を持っていくこと。
種が無ければ新しい場所で、芽も出なければ、花も咲かせられません。ましてや実を結ぶことはできません。
種を持って行くには、今の場所で、小さくても、みすぼらしくても、ひとつだけでも花を咲かせること。
そこで花を咲かせられれば、実をつけて、次の種を得ることができます。
花を咲かせると、今の場所でも違う世界が広がる可能性もあるし、また違う場所で花を咲かせることが出来るということ。
「花」とは人それぞれの捉え方があると思いますが、ボク自身、このお話はなかなか腑に落ちました。
ありがたいお話を聞いてから、鈴虫寺の術中にハマって、御守を授かりました。当然、娘の分も。
閉門までお寺の庭をサクッと散策。
京都市内が一望できる高台があり、遠くに京都タワーが臨めました。
門を出たところの幸福地蔵さんに、レクチャーどおりに、御守を挟んで合掌したまま、住所と名前を告げてお願いごとをひとつ。
ボクはやっぱり貫太がこの先も穏やかに生活していけるようにと。なーむー。
訊きませんでしたが、娘も何やらゴニョゴニョとお願いごとをしていました。
帰りに娘のリクエストで、35周年セールを開催中のユニクロに寄りました。
結局ここでも、彼女の服6,000円分ほどをお支払い。
鈴虫寺よりちゃっかりしています。