学生時代の数年間、
私のアルバイト先は、実父の店の向かいにありました。
実父は精肉業のほかに飲食店も経営していて、
その店の前にあった喫茶店が、私の働く場所だったのです。
それまで、ほとんど交流のなかった
私と“実の家族”。
けれど――
その距離は、
その場所をきっかけに、少しずつ近づいていきました。
気がつけば、
交わることのなかった時間が、
ゆっくりと重なり始めていたのです。
アルバイトが終わると、
そのまま実父の店で夕飯をいただくようになりました。
店を手伝っていた年子の姉とは、
それまでの空白がなかったかのように、
自然と同じ時間を過ごすようになっていきます。
免許を取ったばかりの姉の運転で、
夜のドライブに出かけたり、
お互いの家に泊まり合ったり――
気がつけば、
一緒にいることが当たり前になっていました。
姉というよりも、
どこか友人に近い関係だったのかもしれません。
それでも私は、
あくまでも「従姉」として、その距離を保っていました。
一方で――
姉たちは、私のことを妹として受け止めていたようで、
もしかすると、複雑な気持ちにさせてしまっていたのかもしれません。
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