今日2013年3月11日、EUでの化粧品の動物実験が全面的に禁止される。

動物を犠牲にしてテストされた商品、素材の輸入も販売もできなくなるのがから、欧州マーケットでビジネスをする企業には大きなインパクトだ。


日本では、2月28日、資生堂が4月から動物実験を廃止するとの発表があった。

この化粧品業界の雄を動かした中心的人物が、NPO法人動物実験の廃止を求める会(JAVA)の亀倉弘美さんだ。

昨日の「美しさに犠牲はいらないシンポジウム」では、全面廃止が実現されるまでの4年間の地道な取り組みを語られていた。

 

強い意志で闘われたことに敬服する。

 

 

 

一方で、パネルディスカッションではマエキタミヤコさんも面白いことをおっしゃっていた。

 

 

 

「髪を振り乱して訴えるような過激な内容だからこそ、エレガントに伝える、エレガンスアクティビズムが大事」

 

 

 

 

いつも思う事がある。正義は正義であるほど、声高に、ヒステリックに伝えてはいけないと。

 

 

 

 

突然悪人扱いされた方は、内容の是非にかかわらず、反発したくなる。それが人情というものだ。

 

 

遠巻きに見てる人も、「過激で極端なスタンスを取る人は、特別な人、自分を責めるかもしれない人」、と警戒して離れて行ってしまう。

 

 

人間、誰しも悪者にされたり、責められたりするのが苦手なのだ。

 

 

 

せっかく素晴らしい活動をしている組織であるのに、世間に伝わりづらいメッセージを発信しているケースを見ては、残念な気持ちになる。

 

 

 

 

ただ、さまざまなパワーバランス、利害関係の中で、保身のために社会の悪を放置しておくのもいけない。

 

 

 

ドラッカーの言うところの「知りながら害をなすな」だ。

 

 

 

放置することをせず、せっかく意志を持って啓蒙のアクションをとるのであれば、

 

 

 

知らずに害をなしている人に罪悪感を持たすのではなく、

 

 

ただ選択肢があることを伝えるというスタンスを初期段階では取るべきなのではないかと考えている。