私のパン教室には、始めてパン作りをされるという方がとても多くいらっしゃいます。

 

 

 

『子供や家族に美味しいパンを食べさせてあげたい』

といった風に誰かの為にパン作りを始められる方や、

 

 

 

『食に興味があって…』

と言う風に口にするものに対して意識を高めたいという方や、

 

 

『なにか趣味を作りたい。パンならよく食べるし、やってみようかな〜と思って』

と言う好奇心でいらっしゃる方も多くいらっしゃいます。

 

 

 

もちろん上記にあげた以外にも様々な理由でお見えになる方もいらっしゃるのですが、

大体の生徒さんは初めてお会いした時に

 

 

 

『私不器用なので出来るかわかりませんが…』

 

 

 

と、不安なご様子でお見えになります。

 

 

 

私としては、パン作りを教える立場として

『器用か、不器用か』

と言うのはそこまで重要な事とは感じていなくて

 

 

 

これから私の教室に通われる方が、

パン作りを通して生活がより良く充実してくだされば嬉しいな、といつも思っているのです^^

 

 

 

そして実は私自身も、パン作りを始めた当初はとっても不器用で

先生がマンツーマンで教えてくれるのですが、

どうしても言われる通りにうまく生地を捏ねる事が出来ずに

『う〜ん…』と先生を困らせてしまったという経験を持っています^^

 

 

 

でも始めての事を始めるに当たって、

こんな風にうまく行かない事はごく当たり前の事であって

当時の私はちっとも気にしていませんでした笑

 

 

 

それよりパンが焼けた楽しさの方が勝ってしまっていましたし、

『これから教室に通うんだから、先生についてればそのうち出来るようになるっしょ〜』

という根っからの楽観的な性格が功を奏していました^^

 

 

 

でも自分がパン講師になり、色んな生徒さんにパン作りを教えて来て

最近ふと思う事があったのです。

 

 

 

私は20台の頃、10年間美容師として働いていたのですが、

(その時の詳しいお話はこちらからどうぞ。”美容師だった私がなぜ今パン講師になったか”

 

 

 

美容技術を習得するのとパン技術を習得するのも

畑は全く違うけど、根本は一緒だなと感じたのです。

 

 

 

今日はそんな気づきについて書いてみようかと思います。

どうぞ最後までお付き合い下さいね。

 

この記事を書いている人 -WRITER-

パン講師:伊東梨美

人の心を動かすことのできるパンを焼けるようになってもらいたいとの思いでパン作りを教えています。パン作りの魅力を是非体感してみて下さい。

詳しい講師プロフィールはこちらから

 

 

 

 

 

 

『器用貧乏』と『不器用富豪』

 

 

 

『器用貧乏』の意味は、皆さんもご存知の通り

 

 

 

〜器用であるために、あちこちに手を出し、どれも中途半端となって大成しないこと。

 

 

 

ですね^^

 

 

 

『不器用富豪』は私が勝手に作った造語ですが、つまりは『器用貧乏』の反対で

 

 

 

始めはうまく行かないが、一生懸命努力し、一つの事を身につけたり習得する事によって、成功や良い結果に結びつく事。

 

 

 

と私は思っています^^

 

 

 

私が美容師時代も、毎年入ってくる若手の後輩たちの中でも毎年必ず器用な子って存在するんですね。

そしてそういった子はやっぱり習得も早いので、

同期の中でも技術のテストをクリアしていくスピードも早くて、

いち早くお客様のシャンプーに入れたりするんです。

 

 

でもやはり技術が物言う世界ですので、

ある程度は器用さで渡り歩いてポンポンッとステップアップして行けるのですが…

 

 

 

でもそれって”ある程度”までなんですよね(汗)

本当に数ヶ月位。

 

 

 

やっぱりどの職種もそうだと思いますが、あるレベルにまで行くと、

感覚の”器用さ”だけでは通用しなくなっていって、

理論的、物理的に理解しなくてはいけなかったり、どうしても経験値を積まないと習得出来ないものって増えてくるんですよね。

 

 

 

なので、器用タイプの人たちはそこで初めて挫折を味わう訳なのです。

 

 

 

今までトントン拍子にやってきたテンポが、スローペースになったり、

ストップしてしまったり…

今までの”良い調子”が狂ってしまうんですね。

 

 

 

そして人によっては美容師業がつまらなくなってきて辞めてしまったり、

別の事に目が行ってしまったり、

他のもっと技術習得に厳しくないお店に行ってしまったり…

 

 

 

などなど挫折に打ち勝つ事が出来ずに辞めて行った人たちを私は数多く見てきました。

(もちろん中にはその後に試行錯誤を繰り返し、他店で立派な美容師になった方もいらっしゃいますが、本当にごくわずかです。)

 

 

 

それとは逆に最初から不器用でとってもスローペースだった後輩程、

残って練習する習慣が早くから身についていて、

毎日コツコツ地味にすこ〜しずつステップアップしていき、

数年経ってぐんっと伸びる傾向にあるというのも見てきました。

 

 

 

そして器用タイプの人と同じくらいに肩を並べるようになって、
最初の『器用、不器用』の差なんて全く関係なくなっているんです。

 

 

 

 

 

 

パン作りでも同じ事。

 
 
 
私がパン講師になっても『器用、不器用』が全くパン作りとは関係ないと
重要性を感じないのは、こんな経験から来ているからなんですね。
 
 
 
確かに器用な方や、料理やお菓子作りが好きな方はパン教室に通われても習得スピードが早かったり、始めから綺麗なパンを作ったりされるのは確かです。
 
 
 
でも美容業と同じく、パン作りでもある程度のレベルにまで達してくると
自分で生地の配合や成形の事などをしっかりと理解しながらパン作りを行わないと
”うまく焼けない、美味しく焼けない”
という壁が目の前に訪れて来ます。
 
 
 
ですが、始めてのパン作りから自信があまりない方などは、
『うまくなりたい!おいしくて綺麗なパンを作りたい!失敗したくない!』
と言う気持ちが強いので、
講師のアドバイスにも耳をしっかり傾け、細かくメモを取っていたりします。
 
 
 
そしてご自宅でもしっかり復習されて、毎回レッスンに訪れるたびに上達されていたりするんです。
 
 
 
 
 
 

持ち前の”器用、不器用”が左右するのはごくわずかの期間だけ

 
 
こういった点から、私はパン作りに『器用、不器用』は全く関係ないと思っています。
 
 
 
むしろ美容師時代も不器用でコツコツタイプの人の方が、その後に入ってくる後輩にすごく上手に教えていたりして、人望が厚かったりするんです。
 
 
 
人一倍練習している時間が長いので、うまく出来ない気持ちもわかるし、克服方法もわかっているんですね。
そして何より人に一生懸命教えるんです。自分が過去に出来なかったから^^
 
 
 
なので、私は”不器用だから…”と謙遜している生徒さんには
『器用、不器用は関係ないですよ^^』
とお声がけさせて頂いております。
 
 
 
生徒の皆様が、初めてのレッスンの後にご自宅でも同じメニューが作れるようなレッスンを、レクチャーさせて頂いておりますし、
実際に生徒さん皆さんがご自宅でもすぐに作れるようになっています。
 
 
 
『一人でもパンが焼けた!』
 
 
 
と喜んでもらえる事が私にとって重要としているところなのです。
 
 
 
 
 
 

まとめ

 
 
 
パン作りにおいての『器用、不器用について書いてみましたが、
実際のところ私自信はどうだったかといいますと…
 
 
 
『自分はそこそこ器用だと思っている不器用』
 
 
 
でした^^
 
 
 
美容学生時代も、美容が好きであれこれ楽しく授業を受けるのですが、
『自分では上手く出来た!』
と思っていても評価は中の中位でしたし、
 
 
 
スタイリストにデビューするのも同期より1年ほど遅れをとっていたりなど、
割と不器用で飲み込むまでに相当時間のかかるタイプでした。
 
 
 
そしてパン作りはというと、
やはり始めは上手く捏ねられなくて、パン生地が捏ねムラになっていたり、
成形のとじ目が甘くて、中身の具材のチーズが焼成で全部溶け出ちゃったりなどなど…
 
 
 
『自分はそこそこできる』と勘違いした不器用でした笑
 
 
 
でも美容師もパン作りも、『好き!楽しい!』という気持ちの方が大きかったので、
失敗しても『あ、やっちゃった〜!次は上手くやろう!』という前向きな気持ちを常に持っていたのですね。
 
 
 
なので私にとっては物事は『好き』『楽しむ』という気持ちが重要であって、それを忘れなければ、知らぬうちにパン作りやどんな物事も習得する事ができるのではないかな?
と思います^^
 
 
 
それでは本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
 

この記事を書いている人 -WRITER-

パン講師:伊東梨美

人の心を動かすことのできるパンを焼けるようになってもらいたいとの思いでパン作りを教えています。パン作りの魅力を是非体感してみて下さい。

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