移植を繰り返していた頃、これは妊活あるあるだと思うけど、毎回の浮き沈みに一喜一憂していた。
毎回、どうしても今度こそは!と意気込んでしまい判定日に打ちのめされる。
はじめの頃は全く無防備で、上げては落とされ、というのをまともに受け止めていた。
何度も経験していると、そのうち心が傷つくのを最小限にしようと予防線を張るようになる。
無事移植できても、「いや、またダメかもしれない」とあまり喜ばないようにする。反面、「今回は絶対授かる!」と思い込もうとしたり。
生理が来ても「次はうまくいくかもしれない」と、落ち込まない振りを装う。でも、必ず心のどこかで「もうダメだーー」と叫んでいたり。
感情を押し殺し続けていると、精神的にどんどん疲弊していった。かといって、まともに感情の荒波に揉まれるのもつらかった。
どうすればいいの?
ある時、ものすごく真剣に考えた。
そして、たどり着いた私の中の結論。
一つ気付いたのは、私は全ての出来事、あるいは人や物に対していちいち無意識に「良い」か「悪い」かを判断しているということ。何でも全てが「白」か「黒」なのだ。
これはもうずっと子供の頃からのクセになっていて、40過ぎて初めてハッと気付かされた。日本の教育では、テストで◯か×かということをずっとやっているから、その影響なのかもしれないとも思う。
一回ダメだったら、もうこの先もダメだーと思ってしまう。でも、事実はそうじゃなくて「この先授かるかもしれないし、授からないかもしれない」
絶対今回は大丈夫なんだ!って言い聞かせたとしても、事実はそうじゃなくて「授かるかもしれないし、授からないかもしれない」
現実の世界は、ほとんどが「白」でも「黒」でもない。それを無理矢理「白」か「黒」かに決めつけようとしていたから苦しかったのかもしれない。青でも赤でも、萌木色でも、ターコイズブルーでも、ありのままの色で受け止めればいいのだ。
いちいち価値判断をせず、事実は事実としてありのまま受け止めた上で、感情は感情としてありのまま受け入れる。
彩り豊かな人生の方が、きっと楽しい。