「さっきからぼーっとしてどうしたの?」

洗濯物をとりこんできたおばさんが言った。

 

「・・・今日眠くて。疲れてるのかな。」

 

状況が整理できなくて、早々と朝ごはんを食べて部屋に戻った。

やっぱりここは夢の中みたいだ。

みんな思ったこと、言いたいことを口に出しているかんじ。

 

雅さんも優しかった。

やっぱり、人も素直なほうがいいんだ。

 

そんなことを考えながら制服に着替えて部屋を出る。

色々混乱しすぎて、いつも言っているいってきますを言わずに家を出て、

ポカンとしたまま学校への道を歩いた。

 

「おい喜衣。無視すんな。」

 

急に後ろから声がjかかった。桜賀と兎美だ。

ぎりぎりまで気づけなかった。考え事をしていたからだ。

 

「あたしらのこと無視するとかひどいよ!」

 

「ごめん、考え事してて、聞こえてなかった。」

私に元気がないのを悟ったのか、

「ん?言ってみ!あたしが解決してあげよう!」

と兎美は笑顔で言った。

 

2人の変わらなさに驚いて、私は

 

「2人は変わらないね・・・」

と言ってしまった。それに2人は

 

「いやあたしらは変わんないよ~。」

「人間そんな簡単に変わらねえぞ。なんだ、そんなわけ分かんないことで悩んでんのか?」

ときょとんとしてしまっている。

 

「・・・あ~、ごめん違うの。今の忘れて。」

私がそう言うと、兎美はニコッとして、「分かった忘れる~。」と言ってくれた。

桜賀も「りょーかい。」と言い、先に進んでいく。

 

兎美と私も、笑顔であとを追った。