うぅ、まぶしい。目を開けた瞬間に光が目に入ってくる。ここは・・・私の部屋?全部夢だった?どういうこと?
「喜衣(きい)おはよう。入るわね。」
おばさんの声。やっぱり、さっきのは夢だったんだ。
「みて。このネズミ、汚いけど怪我をしてるし、喜衣が喜ぶと思って連れてきたのよ。」
・・・え?今なんて言った?私が喜ぶから?そんな理由で連れてきたの?
おばさんはいゆもと変わらず優しい顔で私を見ている。いつものおばさんだけど、なんか、違う・・・?
「・・・あーありがとう。ほんとだ、怪我してるね。見つけてくれてありがとう。」
「いいのよ。喜衣のためだから。」
ネズミに包帯をまいてかごに入れ、部屋を出る。
階段を降りたところで部屋からおじさんが出てきた。
「おじさんおはよう。」
「おはよう。雅(みやび)とは仲良くやれているか?我慢してないか?」
「えっ、大丈夫・・・だよ?」
おじさんがこんなに私に話しかけてきたのは初めてだ。
いつも私のことには無関心なのに。心配してくれている。
おじさんは、「ならいいが。」と言って居間に向かった。
それに続いて私も居間に向かう。いつもの通りソファで雅さんテレビを見ている。
「喜衣、朝ごはん出来ているから食べてね。」
「うん、ありがとう。」
その声に気づいて、雅さんがこちらへ歩いてきた。
「きーちゃんおはよう!今日って学校終わったあと、なにか用事ある?」
「ない、ですけど・・・」
「じゃあ、今日一緒に勉強しない?」
また、私のことに口出ししてきた・・・。
勉強もできるからって人のことを見下している。
断ろうとしたが、雅さんは続けた。
「実は私、先生になりたくて、でも今のままだとさすがに無理かなーって思ってさ。
私が教えるから、私のためだと思って!お願い!」
雅さんが自分の悪いところを認めたことに驚いて、私は変に何度も口をパクパクしてしまった。
あの雅さんがこんな簡単に・・・!?
「ちょっと、きーちゃん?聞いてる?」
「あ、はい。分かりました。」
「やったぁ!ありがとう!」
その時、ふと叶恵(かなえ)さんの言葉を思い出した。
「貴方は今から夢にいきます。」
・・・でも私、皆が素直に、って言ったよね。
もしかして、これが雅さんの本当の気持ちなのかな。