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Kenny Drew Trio ‎ "Impressions"
私の大好きなドリュー欧州作品、本作は日本人名ジャズ・プロデューサーの木全信氏の手による東芝EMIからのKenny Drew欧州3部作の1988年8月1,2,3日Easy Sound Studio, Copenhagen録音の第1作目、邦題は「パリ北駅着、印象」です。スイングジャーナル選定ゴールド・ディスク。
録音に加え空気感に、★私的名盤No.92!です。鮮明で上品、強さとのコントラスト、音色の美しさは欧州ならでは、私の好きなパリの街並みが目に浮かびます。ジャズの重たさを敬遠する方にお薦めしたいアルバムです。Shure SC35Cのような円やかなカートリッジをお薦めします。
別冊スイングジャーナル「名盤できくジャズの歴史」(1993年7月31日発行)、88年のページに「女性ファンにもアピールしてケニー・ドリューがベストセラー…」と紹介されるほど、星の数もあるジャズ・アルバムの中でも重要な作品だと言えるでしょう。
1961年6月、パリに降り立ったケニー・ドリュー。人種差別... 不遇の待遇... ジャズの劣勢... 第二次世界大戦でヨーロッパ戦線に参加した黒人たちが味わった自由... オスカー・ペティフォード、バド・パウエル、等々多くのジャズ・ミュージシャンが欧州へ。黒人を人間的に受け入れる土壌、当時の戦闘的黒人指導者マルコムXは「ヨーロッパ人はアメリカ人よりずっと人間的である」と。
ヨーロッパの女性を妻としコペンハーゲンに完全に住みついたミュージシャンは例外的だそうです。異邦人としての自分を発見し第二の人生をスタート、自己再生、確立をすることになる原点のアルバムです。
いわゆるモダン・ジャズなど過去のものになっていた80年代当時、このKenny DrewをはじめArt Blakey、Benny Golson、Chet Baker、European Jazz Trioなど、日本では最新の演奏が紹介されることの少なかった数々の名演奏家の「寛げるジャズ」「気楽に触れ合えるジャズ」、その上で「アルバムのどこかに、聴く人の心に触れる緊張感を残せれば」という心情の下、多くの作品を制作してきた木全氏。中でも本作含むドリュー作品群は、当時母国アメリカからヨーロッパに渡り、日本では忘れられかけていた名ピアニストの存在を見直し広く世に知らしめ、女性ジャズ・ファンまでも改革した大変意義深いものです。
元々ドライヴ感の中にほのかに漂うロマンチックさの魅力や確かなテクニックはありながら、米国では残念ながら評価されなかったドリュー。しかし、欧州に渡りなおかつ木全氏の目に止まり、一連の作品で見直されることになります。
彼の中では名作と言われる"Kenny Drew Trio" (Riverside,1956年)より、私は本作含む渡欧作品に、本来の彼らしさが滲み出ているので好きですね。
シリーズ化される木全氏プロデュースの作品やSteeplechaseで名作(私的)"Duo"などでも生涯の相棒となるベース奏者のNiels-Henning Ørsted Pedersen との互いにすべてを知りつくした二人の円熟の境地が生む緊密なサウンドが堪能できる、Drewの晩年の傑作とも言われているものです。
長年契約していたSteeplechaseから本作と同じ木全氏プロデュースのBaystate、そして #AlfaJazzRecords へ移籍、アルヴィン・クィーンと言うドリューと同じNYっ子でホレス・シルヴァーのグループでも活躍したメリハリの効いた4ビート・ジャズのドラマーを迎えたことも本作以降のテイストを決定付けている重要な人事だと。
#KennyDrew (p)
#NielsHenningØrstedPedersen (b)
#AlvinQueen (ds)
Producers - Kenny Drew & #MakotoKimata
Recording & Mixing - #HenrikLund
Cover Design - #MamikoSugano (Wako Creative)
Cover Illustration - #MichikoOhira
A-1 "Impressions"
A-2 "Evening In The Park"
A-3 "Cafe Flore"
A-4 "Autumn Leaves"
B-1 "My Ship"
B-2 "Rouge Blues"
B-3 "Morning Mist"
B-4 "Last Tango In Paris"
B-5 "The Way We Were"
#jazz #fuzey #vinyl #jazzvinyl #vinylcollection #ジャズ #スイングジャーナル #レコード
*作品を知るとジャズはもっと輝きます。情報くださる先輩諸氏に感謝。