「ぅxっくkじさん、かんぱ~い!」


僕の名前をうまく発音できていないことを自覚したはみ噛んだ笑顔が

差し出されたショットグラスの奥にあった。


「あ、かんぱ~い!」


もう何度乾杯したか思い出せない。

僕は中国式しきたり(らしい)にのっとって44度のモンゴル酒を一気に流し込んだ。



今日は歩きつかれて120%ビールモードだったのだが・・・





今日の広州は肌寒い一日だった。

エレベーターは停電で止まっていたため6階から階段を下まで使って降りたのだが、

ホテルから出た瞬間に今日一日を乗り切れる服装でないことを初めて知り、

僕はコートを取りにまた来た階段を引き返した。

朝一番から18階分の階段トレーニングというわけだ。





広州の町並みは僕が思い描いていたより数段古い中国らしさが残っていた。

数歩歩くごとの立ち止まってカメラを構えたい衝動に襲われ続けたのだけれど、

その衝動に従ってしまうと今回の目的が完全にお留守になってしまうのは自明の理であり、

僕は劉さんとの会話に集中しようと努めた。





今日は歩いた。

とにかく歩いた。

腰の疲労と目の疲れは今日の日が傾くかなり前からピークを迎えていた。

それでも今後の日程を考え、今日の自分の中のノルマを達成すべく歩き続けた。






そして夜は

劉さんとその会社のスタッフと夕食を共にしたのだった。






明日は上海を見てきます。

そして明後日は杭州へと移動しようかと考えています。




「ぅfkぅしさん~~」


火鍋の湯気の向こうの無垢な瞳は

お酒をつぐその行動に少しずつ使命感と達成感を帯び始めていた。



「かんぱ~い~!!」




僕はホテルの固いベッドが恋しくてしょうがなかった。。。














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