網走のビジネスホテルにいます。


薄汚れた壁紙にはめ込まれた窓に、

静まり返った町が写し出されています。



整然と並んだ街灯と、凍りついた表通り。


時折

空車のタクシーがあてもなく動いていくのが見えます。

もうこの時間

彼の相手は

冷え切った信号機だけ。





壁の向こうから

速いテンポのいびきが聞こえきます。


この町の閑散とした飲み屋街のどこであおったその酒は

きっと朝には消えているでしょう。


僕の指先に微かに残るキンキの匂いも。





明日は旭川へ移動します。












jjjj