どんな言葉で書き始めようか。



ちゃんと大切に言葉にしたくて、

書き始めるのにも時間がかかってしまいました。










舞台『処女のまま死ぬやつなんていない、みんな世の中にやられちまうからな』









無事に誰一人欠けることなく、

千秋楽まで駆け抜けることができました。



ご来場くださった皆さま、

応援してくださった皆さま、

改めまして、誠にありがとうございます。







始まれば終わりはきてしまうので、


「いよいよ始まります!」

の時から実は既に寂しかったりしました。









この物語のことだけを、

ひたすらに想っていた約1ヶ月半。


胸がぎゅっと苦しくもなりました。


でもただただ本当に幸せでした。


ふとした日常の中でも

砂羽の目線で物事を見ていたり、

明らかにいつもと違う心情が私の中にありました。





今、数日経って、

"自分"としての感覚に妙な違和感を感じるくらい。









お母さん(くめちゃん)お父さん(秀平さん)と話している時も、

もうその時間は娘としてそこにいる感覚で、

そこに何の違和感もなくて。



3人で話した思い出話は、

不思議と本当に経験したことのように鮮明に頭の中に思い描くことができたし、



もしかすると、

"4人"で新しくその思い出を上書きする未来もあったかもしれないなぁ、

という想像も膨らんだり。








この作品には

心を温かくしてくれる言葉が沢山あって、

私自身もその言葉に救われていた一人です。


言葉の力って

本当に凄い。


それを今回改めて感じました。


そして、

ままないの中にあった言葉は

より強くて優しくて温かかった。





思い出したい言葉が、

ずっと大切にしたい言葉が、

沢山あります。


きっと皆さんそれぞれにも、

心に残った言葉があったのではないでしょうか。







つらいこと苦しいこと、

生きてたら絶対ぶち当たる壁だけど、

どうしても自分の苦しさにばかり気持ちがいってしまうけど、


有紀ちゃんの

「つらいのはお前だけじゃない」


の言葉を思い出して、

前に進もうと思います。








砂羽に出会えて、

沢山の優しさを知りました。


当たり前が当たり前じゃないことも。


日常にあったらつい忘れてしまうような幸せに、

ちゃんと気付ける生き方をしようと。






大事な人たちに自分の現実を言葉にする瞬間は本当につらくて、

どんな顔をしたらいいかどう伝えたらいいか、

正解はいつも分かりませんでした。


伝えたらどうなるかこわくて、

その人の心に気付くのがこわくて。


でもそれでも、

大切な人がいるということが幸せで、

顔を合わせられるだけで嬉しくて、

その幸せを大切にしようと思えました。







佐藤くんと有紀ちゃんと砂羽の3人のバンド。


お父さん、お母さんとの家族団欒。




いつか見てみたいなぁ。




3人が出会った時のこととか、

お父さんお母さんとそして2人も一緒に話している空間とか。


きっと沢山笑ってたんだろうなぁ。






今回3人での時間は少なかったからこそ、

その時間が私にとってすごく大事でした。


佐藤くんと有紀ちゃんの瞳の奥には

いつも色んな感情が入り混じっていて、

それを感じ取るのがこわくもありつつ、

でもその2人の目を見るととても安心できました。




お父さんお母さんとは舞台上で会えない分、

稽古場や楽屋で沢山話しました。


「いってきます」「気をつけてね」

「今日も大丈夫」

「今日は早く帰ってくるのよ」

「頑張りすぎないようにね」「笑顔でね」


実際にこんな会話をしていました。

お父さんにネクタイをしめてもらったりも。


幸せだなぁ、

と心から思えました。







佐藤くん、有紀ちゃん。


お父さん、お母さん。


4人の存在は

特に大きかったです。


本当にありがとう。







そして御堂ちゃんの歌声。


花彩ちゃん演じる御堂の声は、

綺麗ということだけじゃなくて、

素敵な心があってこそ出せる魂の叫びで、

本当に心からその声に憧れました。


その声を聞けることが生きがいでした。






物語の中では直接言葉を交わすことがなくても、

モンキーズのみんなからもクラスメイトのみんなからも先生からも、

全てを受け取って砂羽が在りました。





それぞれの優しさが、

温かい心が沢山詰まっていた"ままない"。




この作品に出会わせていただけたこと、

砂羽として生きられたこと、

私にとってかけがえのない宝物です。







そして、

ここで出会うことのできた

本当に温かすぎる座組の皆さんとお客様。



こんなにも温かい場所があるのかと、

それを想うだけでこみ上げてきてしまうほどです。









原作を書かれた葵遼太さんが対談にて、

"この作品をみて笑顔になってほしい"

ということを仰っていました。



だから私も、

砂羽の「なるべく笑顔で過ごす」と、

この葵さんの言葉を心に掲げ作品に臨みました。






この作品に出会ってくださった皆さまの明日が、

少しでも幸せな笑顔の日になっていたら嬉しいです。








また届けられる日がくることを、

本当に心から願っています。


またきっといつか!


会いましょう!!







ままない、

大好きです。





砂羽役・佐倉花怜