「どっか転がってないかな~」
10月中旬。
秋晴れが清々しい土曜14:00PM@表参道のカフェ。
テラス席が込み合っているのは、この秋晴れのせいだろう。
私と向かい合って座っているのは、ミチ(仮名)。
時折携帯を気にしながら、目を細め眩しそうに行き交う
人々を眺めている。終始無言のひと時。
私の温かかったソイラテが常温になり始めた頃、
まるで緊張感のなかったミチの表情が、少しウンザリした
表情に変わった。そして、そのままの表情でミチがぼやく。
「転がってないな~イイ男…」
そりゃそうだ。
ここは表参道。いい男はみな素敵な彼女と楽しそうに
歩いている。いい男が一人で表参道のカフェにいるなんて
都合のいい話は無い!
相変わらず品定めばかりのミチ。
目につくありとあらゆる男を品定めするのだ。
お化粧をしない、お洒落もしない、美容にも関心の薄い
自分のことは棚に上げて…。あんたも同じく、街ですれ違った
男に批評されてるのよ?いや…もしくは批評される対象
範囲内にすら入っていないかも(Oh my god!!)。
とにかく今のままじゃ、いい男どころか変な男にすら相手に
されないわよっ!!
と、私のコトバを聞き、ミチのウンザリした表情は少し哀し
そうな表情へと変わっていった…。
(次回へ続く)