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 ありがとうカーネーション。

 シングルマザー(未婚で夫がいない)の生き方を選んだ人と友人になって30年近くなります。彼女は私と最初に会った時のことを感慨深く話してくれました。
 私が「赤ちゃんの匂い、いい匂いね」と息子に言ったのだそうです。当時すべての人からシングルマザーを非難されて孤立していた彼女。私の何気ないシンプルな言葉が、彼女を肯定し、不安の中にいた彼女に安心感を与えてくれたのだと話してくれました。
 彼女は地方の名士の娘でした。世間体を重んじる一家だったようで、親に勘当されて、両親の援助もありませんでした。保険の外交員などの仕事をしながら、自分の力で社会福祉士の資格を取得して公的な機関で仕事をしました。そのバイタリティ、尊敬に値します。
 なかなか会えなくてお互いどうやって子育てをしてきたのか、歳月を重ね、子供たちも一人前になりました。
 最近久しぶりに会ったら、娘をこうやって育てたと話してくれました。誕生日プレゼントを我慢させてその分、「毎年の誕生日プレゼント積み立て」をして、ステレオコンポを買ってあげたり、旅行は役所の保養所を毎年使って、娘に又?同じとこ?と言われながらも、「夏休み積み立て」をして、海外旅行に行ったのだと。 ただただその教育方針に脱帽するばかりでした。自立心の強い気立ての良いお嬢さんに育っています。しかも美人に。娘だけを見て生きてきたシングルマザーに乾杯です。
 
 出会いとは不思議なものです。言ったほうは覚えていないのにわずかな一言がその人に強烈なインパクトを与えたりします。
 私の親友はアメリカ人と日本人のハーフです。最初の出会いは12歳の時、近所に親友が越してきました。近所の子たちと外国の遊びをしていて、ものめずらしさに私はお使いも忘れてお金を握ったまま見入っていました。親友から上手な日本語で「名前なんていうの?」と聞かれてそれから友達です。お使いを忘れて遊んでいた私は叱られましたが。
 その時のことを親友は覚えていないようです。でも私は今だに昨日のことのように強烈に覚えています。親友も優しい母親です。

 世界中の愛しい子供たちへ”ありがとうカーネーション”