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 お正月は、浅草行って賑わいを楽しみ、それから浅草演芸ホールで落語、漫才、色物で幸せな気分になって新年が始まるという、我が家の恒例の行事が無くなって久しく、今年はそれができて本当に良かったと思っています。
 おめでたいことがくせになって、上野鈴本演芸場10日の「吉例落語協会初顔見世特別公演」にも行ってきました。おもしろかった~。涙が出るほど笑って帰ってきました。
 林家たい平と三遊亭歌之介がお目当てでしたが、浅草演芸ホールと演者がかぶることなく楽しんできました。

 林家たい平は4日に聞いた演芸ホールと同じ枕で少しがっかり。馬鹿馬鹿しくて色っぽい”湯屋番”を手短に演じました。上手くておもしろかったですが、もう少し長く聞きたかったです。声がきれいでやさしく真面目なたい平は忙しすぎるのか、笑顔がありません。家に帰ってYoutubeでたい平の人情噺を聞いています。

 落語ファンには評価の高い入船亭扇遊は”親子酒”を演じました。ナンセンスで面白い噺なのですが、今まで聴いたなかでは笑いが少ないほう。もっと面白い噺のはずなのにと思いながら最後まで聴いていました。

 キレイどころの三味線漫談の林家あずみは林家たい平の弟子。林家あずみはポピュラーなこちゃえ節など美声で披露しました。若くて細身美人で三味線のお師匠さんのような林家あずみ。芸者さんをお座敷に呼んで遊ぶ祇園参りの男性が羨ましくなるような、粋な出し物でした。話のネタは女子大生が普通に話しているような話でしたが、舞台は華やぎました。良かったです。

 古今亭菊志んは女性が寄席にたくさんいると笑い声で盛り上がるとのこと。天国へ行ったら落語家の名人たちに会えるから喜んで行く話。次々に名人たちが物まねで登場。彦六・志ん生・円生・三平・円鏡・志ん朝・師匠の円菊・談志と、物まねが似ているようであり似てないようで、それでもくだらなくて面白かった。

 林家彦いちの「反対車」は、ナンセンスで臨場感たっぷりで笑ってしまいました。

 ずっと面白かったのに、冷えてしまったのは柳家さん喬。気の短い男と気の長い男の話”長短”。気の長い男がただ、ゆ、っ、く、り、話すだけでぜんぜん面白くなかった。

 休憩をはさみジャグリングのストレート松浦。お正月らしく紅白の衣装で、小物使いも楽しくて、ジャグリングも上手。会場の女性に大受けでした。技を決めながらもとぼけた話で大笑い。中国ゴマ、お手玉、クライマックスはデビルスティックで大技を決めました。小道具は工事現場の三角錐のカラーコーンとコーンバー。見事に宙に浮きました。不思議!拍手喝采でした。

 三遊亭歌之介は落語家というより漫談です。歌之介は10年前から変わらない。それがすばらしいです。相変わらず「少年隊の克っちゃんではありません」で始まり、漢字の小話、師匠円歌の小話。毎度おなじみの小話なのに鹿児島弁の早口話芸が受けて受けて場内は大爆笑でした。

 紙切りは林家二楽。師匠は父親の”紙切り”林家正楽です。出来上がった紙切りをスライドでみせるのが新しい。話も師匠よりは楽しめる。紙切りをしながらゆらゆら動いているけれど、動かなかったら・・・・・。地味に・・・・・。照明も落ちて・・・・・・。暗い舞台でうつむいて紙切り・・・・・。おもむろに顔を上げた林家二楽。絵的に非常に可笑しかった。家に帰っても思い出して笑っています。

 楽しい、お目出たい、粋な二時間でした。