築地市場

 日本で一番土地価格が高い銀座4丁目交差点,、服部時計店(和光)と銀座三越から歩いて10分の築地市場。銀座三越から築地に2分歩けば歌舞伎座。しかも築地市場のまわりは本願寺、聖路加病院がある静かな住宅街です。
 再開発の名のもとに、築地の土地にマンションやビルを建てたくなるのは当たり前。大手不動産会社、ゼネコンにとっては築地市場は喉jから手が出るほどほしい最高の土地なのです。それとは逆に東京ガスの跡地である豊洲は汚染されていることが常識だったので、手つかずのまま誰も買い手がつかないないという土地でした。
 現在の政治は国民のための政治ではなく、大手不動産会社とゼネコンのための政治と言えます。東京のあちこちで、駅近くの土地にビルやマンションを建てまくっています。ビルやマンションのための道路建設、地下鉄新駅工事。中野区に至っては区役所、サンプラザを壊して大規模な商業施設を作る予定です。
 
 



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 築地市場は人々のための市場。「今まで通り、築地でいいという業者」は82.9%にのぼります。古くなった築地市場の再整備から始まった豊洲移転です。豊洲の東京ガスによる汚染や、盛り土のないこと、「豊洲新市場の建物の荷重・整備不良問題」など問題山積み。
 
 築地市場の労働組合の中澤誠氏の講演を聞いてきました。

 『豊洲市場問題と食の安全』

 東京中央市場労働組合執行委員長 中澤誠氏

 あいさつ

 以前から築地移転反対の運動をしていました。盛り土第一発見者として、共産党都議団に報告。小池都知事が地下水汚染盛り土問題で記者会見する前の夜中の2時にジャーナリストから電話を受けました。それからというものは一日20本の電話、マスコミに脚光をあびて取材の毎日です。事務所で1社の取材を受けていても、隣の部屋にはまだ5,6社の取材が待っているという忙しい毎日でした。講演するにも30分くらいで、今日は1時間半たっぷりと豊洲新市場問題を話したいと思います。

 1. この間の経過
 
 2015年11月  この頃から豊洲新市場の施設をめぐって怒りの声が上がりはじめる。
 1年前から豊洲市場の見学会があり、皆、お通夜みたいな顔をして帰ってくる。床の荷重が弱い、店の間口が狭くてまぐろが切れない、冷凍庫用施設がない、スプリンクラーがないなどなど施設の不備があきらかになる。

 2016年2月  ”守ろう!築地市場パレード実行委員会”が公開質問状を舛添都知事に提出し、記者会見をおこなった。
(豊洲市場の不備をネットで公表したら、炎上してしまった。一級建築士の森山高至氏が記事を見つけて、私が案内してA4、20ページの公開質問状50項目を、2月に舛添都知事に提出し、マスコミに知れ渡った。)

 2016年4月  築地市場の水産仲卸業者6人が呼びかけ人となり「築地市場・有志の会」を結成。築地市場・有志の会がアンケート調査。移転延期を求める声は8割以上。
 東京都とのかかわりの中で、業者がなかなか声を上げられない弱みがあって、たった6人で有志の会を立ち上げました。おかみさん会が業者からアンケート調査を行いました。

 2016年5月  築地市場・有志の会が続けて、農林水産大臣宛への請願署名(水産仲卸の過半数586人中319筆)を提出。
 スケジュールを撤回し延期してほしい 84.2%  食の安全・安心に関わることであり土壌汚染問題が解決するまで移転凍結 78.1% 当然築地で営業 82.9%。
 (おかみさん2人で319筆集めました。この運動を全国民に知らせるために作戦を立てました。一つは宇都宮隆氏の都知事選の出馬断念の記者会見で、11月7日築地移転の問題を取り上げて、マスコミに注目させる。二つ目は一級建築士森山氏の意見を取り上げる。築地移転の問題が盛り上がったら、何でもいいからマスコミを利用しようというものでした。視聴率がよくてマスコミは動きましたね。以前から運動はしていたのに無視して、今頃になって取り上げる。マスコミはこわいなと思いました。)

 2016年7月  31日都知事選で小池百合子氏が当選

 2016年8月  31日築地市場の移転「延期」を正式発表

 2016年9月  10日、”盛り土問題”で都知事が緊急記者会見

 2016年10月  6日7日に仲卸の協同組合『東卸』主催で説明会。移転中止を求める声が大多数

 2 築地市場の移転は、民主主義としてどうなのか?

 ①”盛り土なし”はいつどこで決定されたのか?

 ・隠すことで成り立ってきた豊洲新市場
 (基本設計図がない。業界紙「日刊食料新聞」が設計図の公開を求めたが、見せられないと断られる。設計図を隠して着工。建物を見せてくれない。
 ・2011年日建設計から納品された『基本設計』は案にすぎない。本編なし


 ②開かれない最高決定機関・新市場建設協議会

 2002年には3回 2003年には5回 2004年には2回
 2005年9月には『豊洲新市場実施計画のまとめ』 
 2006年1回『基本設計相当』
 2007年 開かれず
 2008年 1回
 2009年 開かれず
 2010年 開かれず
 2011年 開かれず
 2012年 『豊洲新市場建設工事施設計画の概要』(基本設計合意したかった模様)
 2013年 開かれず
 2014年2月 第15回協議会。着工1週間前の協議会が大荒れ。
 2014年12月 第16回協議会で「2016年11月に豊洲新市場」を決定
 2015年7月 第17回協議会で「11月7日」を決定。添付資料がたった一枚、議案は一行の協議会だった。16・17回協議会での出来事。
 2016年 9月9日に移転計画の延期を了承

  (続く)