私には会いたい人がいます。
以前はいつも行く地元のスーパーで、よく行き合っていた私の中学時代の同級生。
うちの子とは学年の違う男の子が二人いました。
顔を合わせると、懐かしくてよく立ち話をしていました。
内容は決まって自分たちの中学時代のこと。
○○先生、面白かったよね~。
こないだ○○ちゃんに会ったよ、といったたわいのないこと。
だけど、3年前の春会った時に彼女の口からショックなことを聞きました。
「上の子、今年の1月に亡くなったんだ。
原因がわからなくて・・・突然亡くなっちゃったの。」
上のお子さんは赤ちゃんの時に大きな手術をして、その時の後遺症でずっと重度障害を抱え、寝たきりでした。
そのことを私は以前彼女から聞いて知っていおり、時々話題にもしていました。
だから話してくれたのだと思います。
たまたまですが、私は前にその息子さんをお見かけしたこともあります。
息子さんの死を話してくれた時の口調はサバサバしていました。
彼女はそろそろ落ち着いてきたから、新しく介護の仕事を始めるとのことでした。
中学校のときの彼女は元気で明るい性格でした。
クラスを盛り上げる、お笑い芸人みたいなひょうきんなキャラ。
障害を持ったお子さんの世話を長年されてきたことは、大変なご苦労だったことと思います。
その後の5月の連休に中3のときのクラス会があり、彼女も出席しました。
他の人にも息子さんのことを報告していました。
同窓会ではごく普通にみなとワイワイ楽しそうに過ごしていました。
出ると決めた時には気持ちの整理をつけていたのだと思います。
あれから・・・あんなに頻繁にスーパーで会っていたのに、パタリと彼女に会わなくなりました。
きっと新しい仕事が忙しく、買い物する時間帯が変わったのだと思います。
スーパーを変えたのかもしれません。
そうこうしているうちに・・・娘のことがあり・・・私は今、その人に逢いたくて仕方ないのです。
会って子供を亡くした気持ちを分かち合いたい。
状況が違うとそれぞれの思いも違うのかもしれません。
それでも会いたいんです。
連絡を取ろうにも、今まであんなに頻繁に行き合っていたのに、 お互い苗字も知らず、電話番号もメルアドもわからないのです。
いつでも会えると思っていた。
もしかすると、彼女はスーパーで私を見かけているかもしれません。
でも私のことを幸せいっぱいだと思い、声をかけないのかもしれないとも思うのです。
私も・・・ずっと下を向いて買い物しているし・・・。
今これを書きながら、彼女は私よりも何倍もの長い時間苦労されていたのだと思いました。
娘の死の直後に中学の同窓会がありました。
もちろん欠席しました。
もう一生行かないと思います。
私も彼女も女子みんなが憧れていた担任の先生も、すっかりお年を召していたそうです。
そんなことを風の便りに聞き・・・余計に寂しくなってしまいました。