https://www.amnesty.or.jp/news/pdf/nl2017_9_10.pdf

その1です。

シェアさせてもらった記事からの抜粋です。

『2017年9・10月号(アムネスティ・ニュースレター)：

1967年６月５日、

イスラエルが周辺のアラブ諸国（エジプト、ヨルダン、シリア）に奇襲攻撃をかけ、

エジプトの領土だったシナイ半島とガザ地区、

シリア領のゴラン高原、

ヨルダンの統治下にあったヨルダン川西岸と東エルサレムを占領しました。

いわゆる第３次中東戦争です。

わずか６日間で戦闘は終結し、イスラエルは支配地域を大きく拡大しました。

シナイ半島はその後エジプトに返還されましたが、

ガザ地区、

ヨルダン川西岸、

ゴラン高原は、いまだにイスラエルの占領下にあります。

東エルサレムはイスラエルが併合を宣言していますが、国際社会には承認されていません。

停戦からわずか３カ月後の９月、

イスラエルは占領したヨルダン川西岸地区に自国民の住宅地を建設します。

自国民を占領地に移住させることは国際条約で禁止されていますが、イスラエルはこの違

法な「入植地」建設を各地で推し進めました。

1993年、占領からの解放を掲げた反イスラエル抵抗組織連合「パレスチナ解放機構」（PLO）とイスラエル政府が、和平に向けた枠組みを取り決め、「オスロ合意」が結ばれました。

占領地域に５年間のパレスチナ暫定自治期間を設け、そのあいだに最終的な返還条件を決める交渉を行うというもので、翌年にはガザ地区とヨルダン川西岸にあるジェリコ地区で、自治が始まりました。

さらにその翌年には自治が西岸地区に拡大しました。※

※西岸地区は、

行政も治安もパレスチナに移管されたエリア、

行政権だけが移管され、治安は共同で行うエリア、

行政も治安もイスラエル軍が担当するエリアの３区分に分けられました。

その後、2003年には、パレスチナ人国家を作り、イスラエルとパレスチナが平和的に共存するという道筋が、国連、米国、EU（欧州連合）、ロシアによって提案され、イスラエル政府もパレスチナ自治政府も合意しました。

しかし、双方に根強い反対勢力があり、第１段階として盛り込まれていたイスラエルの入植活動停止も頓挫しました。

これまでに公式・非公式合わせ約250の入植地が建設され、

オスロ合意当時、

11万人だった西岸地区の入植者は現在50万人以上、

東エルサレム地区も合わせると80万人にのぼります（イスラエルの人権団体 B'Tselem 調べ）。

イスラエル政府は今年３月、約20年ぶりとなる新規の入植地建設を承認しました。

入植地の建設に加え、イスラエル政府は「パレスチナ人によるテロからイスラエル市民を守るため」という理由で、2002年から西岸地区を囲む壁を建設し始めました。

入植は、しばしばパレスチナの人たちの土地を奪って行われてきました。

一方的に農地を奪われ、生計手段を失う。

家を壊され、住むところを失う。

壁の建設で自分の農地に行くのにも許可がいる。

その許可も徐々に下りなくなる・・・。

学校や職場や病院に行くための道路が閉ざされていて、

検問所で足止めされる事態も起きています。

入植地の周りには治安を理由にフェンスが張り巡らされ、

入植地内には自警団が組織されることもあります。

入植者たちが、近隣の村に嫌がらせをすることも少なくありません。

オリーブ畑を焼かれたり、

家に火炎瓶を投げ入れられたりし、

亡くなった人もいます。

ヨルダン川西岸地区の６割はイスラエル軍が実質支配しており、

軍による夜間外出禁止令が出され、

村への侵攻なども起きています。

中でも最も深刻な問題の一つが「水」です。

第３次中東戦争の背景には、ヨルダン川の水資源をめぐる対立があったとも言われています。

現在イスラエル政府は、

占領地の地下にある帯水層からの水の９割近くを、イスラエル国内と入植地で消費しています。

一方、この地に暮らすパレスチナ人はヨルダン川の水を利用することを禁じられ、

井戸を掘るにも畑に水を引くにもイスラエルの許可が必要とされています。

現地の人権団体アル・ハクによれば、

ヨルダン川西岸地区で暮らすパレスチナ人世帯で

毎日水の供給があるのは半数だけです。

水の料金も入植地での利用に比べて高く設定され、

断水も頻繁にあります。

夏が狙われることが多く、昨年の夏は、

１カ月も水の供給が途絶えた地域もありました。

西岸地区に住む50万人超の入植者の水使用量は、

この地域で暮らす260万人のパレスチナ人の６倍で、

水利用の家計負担は、入植者が１割未満なのに対し、パレスチナ人は５割です。

１つの帯水層に頼っているガザ地区では、

状況はさらに深刻です。

イスラエルの過剰取水で水位が下がって塩水化が進み、とても利用できない状況なのです。

ガザでは水は配給制となっています。

』

占領から50年 ～ 虐げられ続けるパレスチナの人たち

占領から50年　～　虐げられ続けるパレスチナの人たち