帰国して1週間も経つのに、なんだか心にぽっかり穴があいたというか、喪失感ってやつでしょうか。


文章を書くのは好きな方ですが、今回の旅をなかなかうまくまとめられずにいました。




2か月もいたら、毎日が楽しい~!最高~!ばかりではありません。


自分の全く予期していなかった部分でつらく苦い経験も積んだし、でもそれもまたいい経験だったんだと今は思えるようになりました。




美味しいレシピや技術はもちろんのこと、今回のイタリア滞在を経て自分の今後の方向性をはっきりと見出すことが出来たのが何よりの収獲です。それをみなさんに早くご報告できるように、精進します!






激しい落雷によりインターネットがダウンしてしまって、途中から毎日の食べたもの記録が途絶えてしまいましたが・・・、いかがでしたか?


日本で食べるイタリアンは、味も見た目も繊細でおしゃれに盛り付けられたものが多いですね。




本場トスカーナの料理は、もっと豪快で野性的ながら素朴であったかいものばかりです。


さほど見た目の事も気にしない?!でも一口食べると体のすみずみまで染み渡る美味しさ。

仕上げはあくまで自然体、見た目の完成度より、味で直球勝負なのです。

そのギャップに毎回驚かされるのでした。


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貧しかった農民料理がベースになっているので、とにかく食材を無駄にしないのも特徴かもしれません。


塩が入っていないトスカーナパン(味の濃い料理と合わせて食べるとちょうどいい!とのことですが、ルッカのパンは塩が入っているそう。)焼きたては、そのまま食べますが、固くなってきたらスープに溶かしたり、ふやかしてパスタの詰め物に、ドルチェにだって使います。


固くなったパンを捨てるなんてありえません!




トスカーナの料理は、野菜をたっぷり、肉も、魚もバランスよく食べるので本当に飽きの来ない日本人にもしっくりくる味わいなのです。




これが、肉の街ボローニャなんかに行ったら大変!毎日肉のオンパレードで野菜はちょこっと、ホームステイ先では魚なんてまずありつけない。早々に胃が悲鳴を上げる!なんて話を聞いたことがありますが、同じイタリアでも北から南、まったくカラーが違うんですね。




ひとつの料理には、たくさんの歴史やストーリーがあって、


それをその土地の風を感じながらたくさん学びたい。


その願いは、たった2か月という短い期間でしたが私なりにかなえられたと思っています。






昨年に引き続き、2年連続でトスカーナのルッカという街を訪れたのは、


去年、初めて食べたその土地のトスカーナ料理が大好きになったこと、


ルッカという静かな田舎町に魅了されたこと、


そして一番大きな理由は、ルッカで料理を教えているGianluca PARDINIシェフの存在です。




ジャンルーカの作る料理は、奇をてらうことなく、トスカーナの伝統を守り、それはそれは素朴で滋味深い味わいです。一口食べれば、これはジャンの料理だね。とすぐにわかるくらい優しいあったかい味がします。


それは私にとっても、これまでジャンルーカの料理を食べた多くの人々にとっても特別な味なはず。




彼が作る美味しい料理の秘密をもっと知りたい。それがきっかけでした。




ジャンルーカは、


イタリア政府司厨士協会から、料理の腕だけでなく、社会的な奉仕活動や人間性、国益性、

その他様々なことを評価して選ばれるトスカーナ州で3人目のマエストロ・ディ・クチーナ(料理界の名匠)の称号を持っています。そう、とても偉大なシェフなのです。でも本人はそんな肩書きにはあまり興味がなさそうです。近年、シェフがスター扱いされる風潮にも疑問を唱えているし・・・。




決して偉ぶることもなく、みんなと対等にとてもフレンドリーに接し、おやじギャグも飛ばすし、お茶目だし、


トリュフよりもパターテ(じゃがいも)が好き。その感覚と人柄がジャンルーカの料理そのものなんだと、この2か月、彼の料理、人間性、仕事ぶりを間近で見て感じました。


イタリア語にフランス語、英語、日本語(スペイン語もかな?)、を操り、料理を通して国境を越えたくさんの人とコミュニケーションを取る。そんな姿も憧れです。




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目下の私の目標は、前にもちょこっと書きましたが、年2回来日するジャンルーカと一緒に料理教室を開くことです。その時はぜひ、みなさん奮ってご参加下さいね(^_^)頑張ります!






メッセージでお問い合わせも頂きましたが、


私がイタリア短期留学をお世話になったのはこちら
です。


昨年は家庭料理コース、今年はプロコースに参加しました。


短期での参加も可能なので、仕事をしながらの私にはとても有難かったです。


本場の暮らしを体験しながらイタリア料理を学ぶことにご興味のある方は、覗いてみてくださいね。






ここ数日で一気に冷え込みが激しくなってきましたね。


今夜はお義母さんから教えてもらった具だくさんきんぴらごぼうと、実家で取れた里芋の味噌煮っころがし(彼ごはんDAYS2P80にレシピを掲載しています。コメントで美味しかったよ~と寄せてくださったKAYOさん、ありがとうごじあます。)、しょうがたっぷり白菜と肉団子スープです。これから帰宅する旦那さんと一緒に食べてあったまりたいと思います。