この世に生まれてきた訳を考えよう
 
 
 
*逆境は進化の役に立ち、その多くが過去の行為の結果であると言われても、前世のこととは切り離して、
余りにも不平等で非人道的な耐え難い ―例えば飢餓や貧困や戦争など― 許せない物事があります。
 それなのに、大変善良で能力が高いとされる存在たちは、
人類のこの嘆かわしい未来を変えるために何もしてくれません。これにはどう返答されますか。
・・・・・ 確かに、非人道的で許しがたいことは数多くあるが、
それらは地球に転生した魂たちが生み出したもので、それらを自覚し、
  地表から撲滅する努力をするのは、その責任があり、
そうすることができる人間自身でなくてはならない。
 すでに述べた通り、霊的な進歩は、何の強制も強要もされず、
それが魂自身の自由意志と努力で決断されて、内面に取り入れられた時にだけに起こる。
  これは、「自由意志の法則」という、霊的に進化した存在全てに尊重されている「魂の法則」だ。
  これが、神や他の高次の存在の、この世の不正を改善する姿が見られない理由である。
 ある問題を解決しようと全能の存在がこの世に現れたとしても、
その決断が全ての者の意向に沿う訳ではないので、
  それまで救世主を要請していた地上の者は、今度は自由が失われたと文句を言うであろう。
 君たちの世界には、我欲を放棄する覚悟のある人も、自分のものだと思っている物を、
  それを持たない人々と分かち合うことのできる人もほとんどいないので、
どんな決定であったとしても、損をしたと思う不平分子は、常にいることだろう。
 だから人間には、物質界で、制限なく自由意志を使う経験をさせて、
自分が招いた状況に対処させるのだ。
  苦しみはエゴのせいであり、我欲が人類の心に君臨し続ける限り
、戦争も飢餓も貧困も不正もなくならない、という結論に独りで達しなくてはならない。
 全ての災いを根絶する唯一の方法は、一人ひとりの心から我欲を一掃することだが、
エゴの毒を解毒できるのは、愛だけなのだ。
 腕組みをしながら救済者がやって来るのを、待っていてはいけない。行動するのだ。
そうすれば助けが得られる。
 「愛の法則」を信奉する高次の魂は、いつでも君たちを蔭から応援するために、傍にいるのだ。
  しかし、君たちの意に反することはできないので、君たち自身の意志で、
率先して行わなければならない。
 川に落ちてしまった者が助けを求めているにも関わらず、
本人は腕を動かしてなんとか泳ごうともせず、浮ぶ努力さえしないのと同じことだ。
  決断しさえすれば、君たちには、自分の運命の方向を変える力があるのだ。
 間違いを犯す度に、父親が助けに来てくれるとしたら、
一体どんな方法で進歩できると言うのだ? 学びのためには、
  自分の決断が及ぼした効果を味わう必要があり、自由に行動して、
一方の道を採るか、別の道を選ぶのかを決めなくてはならない。