人間の肉体は1万4400年の耐用年数を持つ
   
   「アヌビス、この字読める?」 
   マヤは無邪気な声で、ポケットから古い紙切れを取り出した。

   「ええ、もちろん読めますよ。
   でも、もしあなたが本当にこの文字を読めないというのなら、あなたは今、
      この紙に書かれた言葉を受け取る時期ではないのです。ただそれだけのことなのです。
      なぜなら文字とは、ひとりひとりの霊的レベルに応じて、それぞれの感性によって読むものだからです。
      宇宙言語とは表面をなでるだけではなく、
      その裏に隠されている意味を掘り当てなければ理解することができません。
      一つの単語にも何層にも意味が連なっているのです。あなたの用いている言語に置き換えて言えば、
      比喩的な表現やたとえ話、同音義語など、
      同じ音でも違う意味の言葉にも注意をはらわなければいけないということです。

   これはあなたが書いた、人生の『計画書』のようなものです。
   つまりあなたご自身の設計図でもあるのです。
      具体的には、あなたの人生で起きることの年代表示と、
      そして惑星地球で何が起きるかについて事細かに記されています。」

   『注釈』 人生の計画書(設計図)について
   その人生において何を為し、何を学ぶかについて、一人ひとりが生まれる前に計画を立ててくる。
      転生する前に、ハイアーセルフや霊的ガイドと呼ばれている高次元の存在たちと話し合いがもたれ、
      これから始める人生の青写真が計画される。

   通常は、3人から12人くらいの人々と一緒に果たすことになる仕事や学びについて、
      お互いに契約を結ぶことになる。
      計画書にはそれらが起きる時と、その内容が記されている。
      さまざまな人の計画書を閲覧してみると、霊的に若い人の場合は、
      細かいところまで綿密に計画されているが、
      霊的に高年齢の人の場合は、大体の大雑把な計画しか立ててこないようである。

   また計画書に記された出来事が、その時期、その時間に正確に作動する仕組みとは、
     「お互いに関わりを持つという契約」を結んだ者同士が、その同じ記号のものを計画書に刻印しており、
      星の光によってその記号が打ち鳴らされた時、互いの計画書が共鳴を起こし、
      プログラムが作動する仕組みになっている。

   光の糸とは、多次元を行き来するときに、時空を超えるときの目印になるという。
   光の糸を肉体に結び付けておけば、それが命綱の役目を果たし、無事に帰還することができるという。
      その光の糸を見分けるには、目を閉じて心を無にする必要があり、
      心がざわついているとその色を見分けることが困難になる。

   赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、ローズピンク(赤紫)・・・と、色はそれぞれ固有の温度を持っており、
      赤い色周辺では暖かく、青い色周辺は冷たいなど寒暖の差があった。
      また色によって距離感が異なり、黄色のように近づいてくる色や、青のように遠くへと逃げ去る色がある。
      しかし慣れてくると、色、音、温度の区別はなくなり、色の違いとは、
      波長の長さと空気を揺らす振動の速度で決まるということがわかってくる。
      また色と音階も似ている。つまり色と音は同じもので構成されているのだ。

   マヤは自分の発する声や言葉にも色がついていることを発見し、
      いろいろな言葉を発してはそれを確かめてみた。
      そして自分の発する言葉には十分注意しなければならないと痛感した。
      マヤは泣きごとや、怨みごと、人を陥れるような言葉を使うのはもうやめようと思った。
      それらの言葉はいつまでも地上にまとわりついて残り、人々を窒息させてしまうのだ。
      それは人間にだけではなく、植物や他の生き物たち、そして惑星地球にまで悪影響を及ぼすのだ。

   暴言を一つ吐いてしまったら、祝福の言葉を発して色を中和させ、バランスをとらなければならない。
      言葉とは本来、伝達や心を縛り付けるためのものではなく、世界への賛歌のためにあるものなのだ。
      これからはできるだけ感謝の言葉を発して、世界を虹色で埋め尽くしたいと、言葉の色を見ながら、
      マヤはそう切実に思うのだった。

   「あなた方の目には、光は単なる透明な光としてしか認識できませんが、
       実は透明な光には幾つもの別々の性質を帯びたものがあるのです。
       色や光を波長の長さとだけ直線的に捉えていては、宇宙の光を捉えることはできません。
       色というものは直線状を進むのではなく、
       あか・橙・黄・緑・青・藍・紫・赤紫そして再び赤というように
       順番に色彩の輪の上を螺旋を描いて進んでいくのです。
       宇宙の光は、透明な赤、透明な橙、透明な黄、透明な緑・・・というように、
       同じパターンで進んでいます。

   そしてあなた方の文明では、まだ再発見されていない、磁気を帯びた光がこの中に含まれているのです。
      これは宇宙創世や生命の起源に関わる問題や、
      あなた方が言うところのひらめきや直感と大いに関係しているのです。
      あなた方の文明ではまだ理解されていませんが、鮮明な夢や直感、
      それに閃(ひらめ)きや第六感などと呼ばれているものは、
      血液中に流れる微量の鉄が磁気に反応して起こります。
      つまりそれらは、磁気を帯びた光をつかむことで起きるのです。
      現在の惑星地球においては正しい認識がなされていませんが、
      この宇宙では「磁気」が重要な役割を果たしています。

   それだけでなく、あなた方が発する『意識』というものは、電磁波の一種なのですよ。
   ご存知でしたか? あなた方はご自分の意識というものに細心の注意を払い、
      そして責任を持たねばならないのです。
      なぜなら磁気の不調和は、惑星地球の運行やその軌道、
      そして近隣の惑星にまで悪影響を及ぼしているからなのです。

   あなた方の文化では、紫外線の重要性が正当に評価されてはいないようですね。
   たとえば酸素やカルシウムというものには本来毒性がありますが、
      だからといって体内に取り入れることをやめないように、
      紫外線にも毒性があるからといって、紫外線を極端に避けると、
      そこには重大な見落としがあることを知らなければなりません。
      その詳細はあなた方も順次理解するようになると思いますが、
      紫外線に対する免疫力も必要になってくるということを理解しておいてください。
      惑星地球の住人もいずれ、外界から保護されていた「繭」の中から宇宙へ飛び立つ時が来るのですから。

   あなたがた人間の肉体は、その波動レベルから判断すると、
      あなた方の時間で1万4400年の耐用年数を持っています。
      しかし外的や内的に及ぼされるさまざまな要因から、あなた方は耐用年数に遥かに満たないうちに、
      その肉体を手放すことになります。」

   音階と色の関係
  
   ド(赤) レ(橙) ミ(黄) ファ(緑) ソ(青) ラ(藍) シ(紫)


           「22を超えてゆけ」 辻 麻里子著 ナチュラルスピリット

                           抜粋