指導料が高いから優れた指導とは限らない | 武道上達法研究会|新大阪・川崎で沖縄空手指導

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若い頃、中国拳法を習ったことがある。中国武術はイカサマなものも多いと聞くが私の教わった先生は凄まじい破壊力、戦闘力を持った本物の実力者だった。


ただ、月謝は非常に高額だった。さらに月謝以外に特別セミナーだ、Tシャツを追加で買え、道場用具を増やすからカネを出せ、と費用のかかる教室だった。結局お金が続かず短期間で辞めてしまった。


高額でも指導が丁寧で出席のたびに上達が感じられればもう少し続いたかも知れない。しかし、比較的早期に「この先生は集金には熱心だけど指導は熱心ではないな」と感じたことも去った原因の一つだった。


中国武術が日本で紹介された当初、松田隆智氏などの著書に「日本武術と違い中国武術は師弟の絆、心のふれあいがないと教えてもらえない」と書かれていた。これを都合よく解釈し、「中国武術家はカネは二の次、絆さえあれば最高の指導が受けられる」と認識した人は少なくない。正しくは「お金をしっかり徴収するのは当たり前、その上で先生に特別に気に入られる人だけがマトモな指導を受けられますよ」といったところだろうか。中国とのビジネスが一般化した今日、この手の神話を信じる人は少なくなっているとは思うが。


中国武術に限らず、かなり高額の指導料を取られている道場、会派は少なくない。高額の指導料自体は問題ではない。10倍のレッスン・フィーを払っても10倍の速度で上達できたり、通常では到達しないレベルまで自分を上げることができれば満足度はむしろ高くなる。高額を払っても難病が治療できるのならばある程度はやむを得ないのと同様だ。


さて、私の周囲にも以前の流派や各種セミナーなどでかなりの高額の指導料を払ってきた人たちがいる。成果は?と聞けば「うーん、取り立てて凄い技を習得したとかいうことは・・・」と言葉を濁すケースがほとんど。印象としては

「マスコミやSNSで凄い・・・と評されているので高いおカネを出せば自分も同じように凄くなれる・・・と思います」


感じたがっているようだった。将来の期待感を持たせて利益を継続させるのはビジネスとしては優れている。商売上手なのはアメリカナイズあるいは中国ナイズされた方々が多いように感じる。

指導料が高額だからといって一概に非難はできない。しかし、最初からロクに教える気もないのに指導料ばかり高額なのはいかがなものだろう。